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人生100年時代。今や日本人のおよそ半分は50歳以上です。「NEOFIFTY」では、これから50代を迎える人にとって、その先にある老後が「終活の始まり」ではなく「新しい人生がもう一度始まる」と思えるように、素敵な生き方をしている人たちの言葉を紹介していきます。

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寺脇康文が語る、盟友・岸谷五朗との関係、そして「人生の転機となった出会い」

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寺脇康文 撮影/齋藤周造
目次
  • 盟友・岸谷五朗との関係
  • 初の海外作品に挑戦する思い
  • 人生の転機となった3つの出会い
  • 来年には還暦を迎える

 今年で俳優生活37年目の寺脇康文さん。22歳で俳優デビュー。以来、多くの作品に出演。また、周りを包み込むような温かい人柄で情報番組『王様のブランチ』の初代MCを務めるなど、常に第一線で幅広く活躍している。盟友・岸谷五朗さんとともに結成した演劇ユニット「地球ゴージャス」も昨年25周年を迎えた。

 その「地球ゴージャス」が話題のブロードウェイミュージカル『The PROM』で、初の海外作品に挑戦する。3月10日の開幕を前に、「舞台への熱い思い」「岸谷さんとの友情」「人生の転機となった3つの出会い」「来年還暦とは思えない若さの秘密」などなど……たっぷり語っていただきました。

盟友・岸谷五朗との関係

 2020年の「地球ゴージャス」結成25周年は、記念公演がコロナ禍のためわずか8公演で中止になり「非常に悔しかった」と語る。25年間を振り返って思うことは──。

「僕たちの中では、本当につい最近始めた感覚があって。一作一作、自分たちの全力を込めて作ってきて、楽しんでいただきたくてやってきて、気づけば25周年という……。だから、長かったなも短かったなも、ないんですよね。周りから言われて、“あ! そんなにやっていたんだ”と思うくらいです」

「“(地球)ゴージャスの最高傑作は何ですか?”と聞かれると、いつも“最新作です”と答えるんですが、過去の作品も大事にしつつ、常に今やっていること、これからやっていくことを考えているという状態ですかね」

 演劇ユニット「地球ゴージャス」は、俳優・寺脇康文と岸谷五朗にとって「生きざまそのもの」と言い切る。

この時代にこういうことが起こっているから、こういう作品をやりたいというのを、いつも2人で話し合っています。例えば、東日本大震災の翌年に、みんなが苦しんでいるときだからこそ“楽しいものを作ろう!”という思いで『海盗セブン』を作ってみたり。2016年の『The Love Bugs』では虫を登場人物にして、“もう、人間として世界平和を訴えてもダメだから、虫に言わせちゃえ”とか(笑)。そのときそのときの世相を必ず反映させているので、過去の作品を見て“あ! こんなことを考えていたね”という話を五朗ちゃんとよくするんですけど

 岸谷さんは「人生に楽しむうえで欠かせないパートナー」だという。

「彼とは出会って36年、ずっと一緒に芝居をしてきていますし、お酒も飲むし、遊びもするし……。ゴージャスの公演では普段、楽屋も一緒ですし。全然違うタイプの人間なんですけど、根本にある“これはいいね、面白いね、これは面白くないね”という感覚が同じなんですよ。だから、これだけ長くやっているのだと思うんですけどね。ケンカもしたことがないですし」

「彼がいなかったら、ゴージャスもやっていなかったでしょうし。それだけ大変なことなので、2人だからできるというのはありますね。五朗ちゃんがいつも、“寺ちゃんはいるだけで、いいんだよ。おまえがそばにいると、なんかうまくいく気がするんだ”と言ってくれるんですけど、それはうれしいなと思いますし、僕も全幅の信頼を置いています。でも、僕のほうは“大丈夫、大丈夫”って言ってるだけなんですけど(笑)」

初の海外作品に挑戦する思い

 大人になってそんな友人がいるなんてうらやましいような、お互いにとってなくてはならない存在。その2人が思いを込めたオリジナル作品を上演し続けてきた「地球ゴージャス」が、初の海外作品に挑戦する。そのミュージカル『The PROM』は、2018年にブロードウェイで開幕し、2019年にトニー賞7部門にノミネート、昨年12月にはNetflixで映像化。今、世界的に注目されている作品を日本版として初上演する。今やるべき作品として今作を選んだ理由を尋ねると、

「五朗ちゃんが毎年ブロードウェイに行って、いろいろな作品を見て勉強してくるんです。それで毎回、彼が見てきた舞台の話を聞くんですね。彼が日本版の演出に参加したミュージカル『キンキーブーツ』を初めて見たときも、“日本人のお客様が楽しんでくれると確信した”と言ってましたが、『The PROM』も日本人に絶対に受け入れられると感じたそうで。さらにブロードウェイミュージカルでは珍しく、大人たちがグイグイ引っ張っていく物語も面白くて、僕もすぐにやりたいと思いました

「もうひとつは、25年を過ぎたときにちょうどこの作品に出あって、“そういう挑戦をしてみてもいい時期なのかもな”と。新鮮な風が吹く予感がしたんですよね」

 物語の舞台は、アメリカの高校で卒業生のために開かれるダンスパーティー“プロム”。レズビアンの主人公エマ(葵わかな)が、さまざまな人たちとの触れ合いにより、“自分らしく生きる”ことを貫こうと奮闘する姿が描かれる。エマのもとに現れる、落ちぶれかけたブロードウェイスター4人の傍若無人な行動に、劇場は笑いに包まれ、ブロードウェイらしい華やかな音楽とダンスシーンに、誰もが拍手をしたくなるようなミュージカル。

「この作品のテーマには、LGBTQのことや人種のことなど、世界的にセンシティブになりうる課題が入っているんですが、ゴージャスの作品にも戦争反対であったり常にさまざまな深いテーマがあります。でも、それを楽しい歌と踊り、ゴージャスの場合はアクションなどで包んで、お客様に楽しい時間を過ごしてもらいながら伝えたい。そして舞台を見た後は、元気になって“ああ~面白かった。明日からまた頑張ろう”と思ってもらいたい。そういうところが同じなんですよね

「僕も舞台の資料を見たときに、最後の歌で鳥肌が立って感動が止まらなかった。自分で稽古場で歌っていても鳥肌が立つんですよ。どん底の大人たちが、エマたち高校生に教えられて素直な部分を取り戻したり、高校生たちも大人たちによって、勇気をもらったり。あらゆる年代の成長物語でもあるので、あらゆる世代の方に楽しんでいただけると思います」

 寺脇さんが演じるのは、鳴かず飛ばずのミュージカル俳優、トレント・オリバー。

「僕、トレントが大好きなんですよ。“とにかく人生を楽しんで生きたい”ということと、シンプル・イズ・ベストで何事も難しく考えないところ。トレントはこの作品のテーマをこんなふうにズバッと言うんですね。“外見から見るといろんなことがあるよ。肌の色も違うし、身長も鼻の形も違うよ。でも中身を見てごらんよ、肺があって、腸があって、心臓があって、同じじゃない”と。だから、それをわかれば、みんなが平和に暮らせるでしょ? って

トレントは非常にスッキリした人間なんです。僕もそんな人生を送れたらいいなと思って。だから演じていてとても楽しいんですよ。今、心身ともに健康状態がすごくいいです(笑)」

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