『アタック25』に伝えたいメッセージ
'11年に児玉さんが亡くなり、朝日放送テレビの浦川泰幸アナを経て、'15年からは俳優・谷原章介さんが司会に。その司会ぶりもようやく板についてきたところでの番組終了決定は、本当に残念でなりません。
憶測でしかありませんが、新型コロナの影響で予選会の開催もままならず、タレント大会や再放送の回が増え、視聴率が落ちたことが、番組打ち切りの最大の原因であることは間違いのないところでしょう。
番組がどのように変化しようと、視聴率さえ下がらなければ、『笑点』(日本テレビ系)のように継続できたはずです。
番組終了決定の報が流れると、ネットには、それを惜しむ声が殺到しました。私も同じ思いですから、それはよいのです。
でも、「スタッフはこの番組の価値がわかっていないのか?」とか「後番組が若年層をターゲットにした番組というのは的外れ」など、番組スタッフを責める声に対しては、「違う」と思うのです。
なぜって、あと4年で50周年を迎えられた番組が終了することを、いちばん悔しがっているのは、スタッフのはずだからです。
番組終了に文句をつけるくらいなら、これから毎週、視聴してほしい。現在、5%台の視聴率が、これからずっと倍になったら、「やっぱり続けます」ってなるかもしれないのですから。
番組のスタッフに言いたいのは、ただひと言。
「これまで、一般視聴者参加型のクイズ番組をずっと守ってきてくれてありがとうございました! お疲れさまでした!」
それだけです。
『アタック25』の終了後、スタッフにはぜひ、長年積み上げてきたクイズ番組づくりのノウハウを活かして、時代にマッチした新たな視聴者参加型クイズ番組を誕生させてほしい。
失われた文化は、復活させれば継続します!
それに向けて、4つほどアイデアを。
◎アイデア1:予選会はZOOMを使って、ボードクイズ形式によるクイズの実力判定と面接を兼ねて実施する。
◎アイデア2:賞品の旅行は、国内旅行などではなく、むこう5年間くらい有効な海外旅行券にする。
◎アイデア3:媒体はテレビに限らず、ネット番組も視野に入れる。
◎アイデア4:番組名は『シン アタック25』にする。
たぶん、ツッコミどころ満載の素人意見ですが、ご笑納いただければ幸いです。
(文/西沢 泰生)
【著者PROFILE】
にしざわ・やすお ◎作家・ライター・出版プロデューサー。子どものころからの読書好き。『アタック25』『クイズタイムショック』などのクイズ番組に出演し優勝。『第10回アメリカ横断ウルトラクイズ』ではニューヨークまで進み準優勝を果たす。就職後は約20年間、社内報の編集を担当。その間、社長秘書も兼任。現在は作家として独立。主な著書:『壁を越えられないときに教えてくれる一流の人のすごい考え方』(アスコム)/『伝説のクイズ王も驚いた予想を超えてくる雑学の本』(三笠書房)/『コーヒーと楽しむ 心が「ホッと」温まる50の物語』(PHP文庫)ほか。