初出場の予想はかなり難しい
──続いて、初出場の方を見てみましょうか。みなさんはAdoさん、Uruさん、Aimerさん、上白石萌音さん、緑黄色社会、Awesome City Clubを予想されていますね。
カ:特に、上白石萌音さんは、紅組の司会兼出場歌手でもおかしくないと思います。10月の特番『わが心の大阪メロディー』(NHK)も決まりましたよね。大河ドラマにも出たことがあり、この後、11月から始まる朝ドラ『カムカムエヴリバディ』の主演もあるので当確かなと。万一、不出場だとしても、審査員など何らかの形では出てほしい。
新:妹さん(上白石萌歌。歌手活動時のアーティスト名はadieu)との共演もあれば面白いですよね。日本人全員に愛されそうな彼女のキャラクターもバッチリ。オリジナルもよし、童謡や昭和歌謡のカバーもよし、何でも歌えるかと思います。
──緑黄色社会は、新さんと臼井さんが挙げていますね。
臼: 4人組男女混成バンドですが、2年がかりで配信ヒットしている『Mela!』などは、紅白の1曲目として元気にスタートするのに最適な感じがします。歌もうまくて大衆性のあるバンドサウンドの枠として予想しました。昨年に初出場して、オリンピックの閉会式にも出たmiletさんや、楽器を持たないパンクバンドのBiSHも予想に入れたくて悩みました。
新:私も、緑黄色社会、Uruさん、Aimerさん、miletさんと、それぞれタイプは異なるのですが、みなさん歌がうまくて、メッセージ性もあり、ヒット実績もあるので、生の歌声でじっくり聴かせてほしいです。この4人を入れるために予想からはずしてしまったYOASOBIも、出るとは思うのですが……。
カ:でも、YOASOBIなら、“あれだけ大ヒットしながら出ない”という可能性もありますね。あと、僕はAwesome City Clubを紅組出場メンバーとして選んでいます。男女混成で、男性ボーカルがメインのバンドですが、紅組のほうが出やすいかなと思って。今回の紅組の初出場や2回目出場の枠は、いろんな考え方ができるので、誰が出るのか難しいですよね。
──以上、紅組の予想でした。確かに、坂道系の46グループは3組が有望なのに、AKBなど48グループが1組も出ないのはバランスが悪くなりますね。とはいえ、このところ注目される『うっせえわ』のAdoさん、閉会式のmiletさん、『鬼滅の刃・遊郭編』の主題歌を歌うことが決まったAimerさん、ドラマ主題歌が好調なUruさんなど、注目の女性ソロも選びたい。
それでいて、ビルボードジャパンチャートの上位常連であるYOASOBIは、若年視聴者獲得のために欲しいところ。かといって、演歌枠を減らしてしまっては、国民的番組の意義が薄まってしまう……。確かに、全体のバランスが難しいですね。注目のボーイズグループが多い白組も、混迷を極めそうです!
(構成・文/人と音楽をつなげたい音楽マーケッター・臼井孝)
【さらにヒートアップした白組編は、10/22(金)の21時に公開致します!】
◎カーシー:自他ともに認めるトップクラスの紅白マニア。第14回以降、映像に残っている回はすべて視聴し、予想歴は20年以上。ミュージックソムリエの資格を持つ。自身のブログでも紅白や音楽について綴っている(https://kerseemusic.com/)。
◎新亜希子:アイドルほかエンタメ全般に詳しく、数々の媒体で執筆する音楽ライター。特に、ボーイズグループへの思い入れと知識量はピカ一。
◎臼井孝:昭和歌謡から最新邦楽、中でもカバー曲や大人音楽の普及を生業とする音楽マーケッター。詳細なデータに基づいたヒットチャートの分析力には定評がある。
◎高安紗やか:NPO法人ミュージックソムリエ協会 、CDショップ大賞事務局、ミュージックソムリエ講座、イベント運営など多岐にわたって活動。