おかしさもワールドクラス! 世界のヘンな条例

 世界を見渡せば、日本どころじゃないヘンな条例であふれていた!

 なかでも目につくのが、動物に関わるユニークな条例が多いこと。

「ワニを消火栓につないではいけない」(アメリカ)

「魚を泥酔させてはいけない」(米オハイオ州)

「犬と猫はケンカをしてはいけない」(米ノースカリフォルニア州バーダー)

「カンガルーにビールを6杯以上、飲ませてはいけない」(オーストラリア)

 前出・長嶺さんが分析する。

「日本に比べ欧米のほうが動物愛護の精神が進んでいますから、それが反映されているのでしょうね。イギリスではタコやロブスターを生きたまま調理するのを禁じる法律がつくられようとしています

 そう考えると、人口当たりで犬を飼っている人が最も多い国・チェコに「犬税」があるのも納得! 飼い主には1匹につき年間3000円ほどの税金が課され、集めたお金はフンの除去や清掃費用に使われる。ドイツやオーストラリア、スイスなどでも犬税が採用されているとか。

 また、お国柄が反映された「ヘンな税金」の存在も見過ごせない。

「健康のためのポテトチップス税」(ハンガリー)

「脂肪税」(デンマーク)

「ソーダ税」(米ペンシルバニア州など)

 これらは肥満防止や健康促進のため、スナック菓子や甘い炭酸飲料に課税するというもの。

「余計なお世話という気も……。肥満と健康被害の因果関係を立証するのも難しそうです」と、長嶺さん。

 さらに驚くのは「死んではならない」という条例だ。

ブラジル・サンパウロ州バリチバミリン市の市長が“死なないよう健康を維持しなければならない”と定めた条例を議会へ提出しました。同市では墓地不足が深刻な問題になっていて、元凶をつくった国の政策を批判するため、皮肉を込めて条例案を出したといわれています。フランス・キューノ市でも同様の条例案が議会へ出されています」

 ヘンな条例から目が離せない!

《PROFILE》
長嶺超輝 ◎フリーランスライター。1975年、長崎県生まれ。九州大学法学部卒。『47都道府県これマジ!?条例集』(幻冬舎新書)ほか、法律分野に関する著書多数。近著に『裁判長の沁みる説諭』(河出書房新社)

(初出:週刊女性2021年11月9日号)