発想はダジャレです

 ご当地作品も手がける。“うどん県”香川県でのイベント用に作った“ウドンケンシュタイン”。青森県の縄文遺跡群を訪れた際にヒントを得た、遮光器土偶を模したペットボトルホルダー“ペットボ土偶”などがある。

「発想はダジャレです。ダジャレを思いついたときは最高! 思いつかないときは地獄です」

「ダジャレを思いついたときは最高です!」撮影/齋藤周造

 俳優としての活躍も目立ち、ドラマ『99.9ー刑事専門弁護士ー』『あなたの番です』などで存在感を発揮。『99.9──』ではカレイの形をした自作のスマホケース“カレイPhone”が話題を集めた。その劇場版(12月30公開)では“モiPhone”が小道具として登場する。『あな番』も映画化され12月10日に公開される。

「テレビ、映画、舞台は演出家、カメラマン、照明、音響といったスタッフがいるなかで俳優というポジションを全うするだけだと思っています。でもアーティストはすべてを自分でできるので、僕にとっては趣味のひとつでストレス発散になります。アーティストとして売れたい、成功したいという気持ちもあるけど、ただ好きで作っているのが本音なので(俳優業との)並行は苦にならないです

愛車にフイルムを貼って大好きな土偶をペイントアート! 車のライトは遮光器土偶の目に 撮影/齋藤周造

立体物を作る手触りに開眼

 子どものころから絵が好きで、美大を目指した。

「美術、図工以外の授業は大嫌いで、ゴッホになりたかった。美大に入ったら画家で食べていけると思っていたけど、入学したらすごい世界にきちゃったなと。絵がうまいから美大に入れたと思ったら“うまくてどうする”と先生に言われ、(僕より)絵がうまい人もいっぱいいる。芸術に対してネガティブになってお笑いを始めるようになりました」

 暗澹(あんたん)たる気持ちを救ってくれたのが粘土だった。

「粘土を使う授業で、作品がうまくできて絵が上手な同級生から一目置かれました。立体物を作るときの触り心地に開眼する感覚がありました」

 粘土との出会いによって多彩な道が開けた。

学生時代の油絵とか恥ずかしげもなく展示します。見に来てくれた子どもたちに“こんなもんか”と思ってもらえれば(笑)。美術館や絵に興味がなくても子どもの創作意欲をかき立てられるような、参加している気分になれる個展にしたいと思っています」

 “アーティスト”片桐仁の今昔をまるわかりできる。

『粘土道20周年記念 片桐仁創作大百科展』
11月20日(土)~12月19日(日)/東京ドームシティ Gallery AaMo(ギャラリー アーモ)/11:00~19:00(最終入館は閉館30分前)/前売り入場料:大人(高校生以上)1000円(当日1200円)、小・中学生600円(当日800円)、未就学児童無料 ※ワークショップは別途料金