1990年代、時代の主役は女子高生だった。新しいトレンドを次々につくり、多くのギャル文化を生み出した。それから20余年。見かけなくなったものも多く、その行方を追った。
ルーズソックスブームが再燃
「ルーズソックスが欲しい、と高校2年の娘に言われて懐かしい気持ちになりました」
都内に住む40代女性は娘を通して自身のコギャル時代を懐かしく思い返している。
1990年代、空前の“コギャル”ブームが沸き起こった。安室奈美恵のファッションをまねる「アムラー」や、顔を黒く塗る「ガングロ」などのギャル文化が次々に生まれ、時代の主役は女子高生に。
今、そのブームに再燃の兆しが見えているという。
「ルーズソックスが再び売れているんです。ファッションは20年周期で流行が回っているといわれているので、1990年代のブームが再燃するのは珍しい現象ではないのですが、コギャルのアイコンだったルーズソックスが再び流行するとは」(109ショップ店員)
12月から『PLAZA』(元ソニプラ)で『E.G.スミス』のルーズソックスの復刻販売が決定。「当時の売れ筋である34センチ、75センチを展開します」(PLAZA広報)
ルーズソックス再燃の一方で、消えてしまったギャルアイテムは数知れず。あのころのコギャルを沸かせたアイテムは今どうなっているのか。
現在40代の元ギャル500人に聞いた「ギャルアイテムと聞いて思い浮かぶものは?」上位5品のその後を追った──。
2位 折りたたみミラー(102票)
3位 Tikkyのシャープペンシル(81票)
4位 トロール人形(54票)
5位 他校のスクールバッグ(47票)
1位 ギャルブランドのショッパー
「ラブボ(ラブボート)のショッパーを擦り切れるまで使ってた(笑)」(44歳)、「109に行くときは安いものを数回に分けて買って、ショッパーを複数ゲットしていました」(45歳)
消えたギャルアイテムと聞いて圧倒的1位を獲得したのが、ブランドショッパー。
ショッパーとは洋服など、商品を購入したときにもらえるお店の袋のこと。
1990年代当時、『me Jane(ミー ジェーン)』、『LOVE BOAT(ラブ ボート)』、『CECIL McBEE(セシルマクビー)』、『ALBA ROSA(アルバ ローザ)』などのショッパーをバッグとして擦り切れるまで使っていたコギャルたち。ギャルブランドのショッパーを持つことがステータスでもあったのだ。
あのショッパーは今どうなっているのだろうか。
「ショッパー自体は消滅したのですが、メルカリやラクマなどのフリマアプリで1枚当たり300円前後で取引されています。『ミージェーン』のショッパーは2000円で取引されるなどいまだに根強い人気を見せています。
2018年に公開された映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』で広瀬すずらが1990年代のギャルに扮(ふん)し、ショッパーを使用したこともあり、ここ2、3年でじわじわとまた人気を集めているようです」(元ギャル雑誌編集)
一方で、ブランド自体が終了を迎えたものも多い。
渋谷のギャルカルチャーを支えた『ラブボート』は、2014年8月にブランドを終了。しかし今年10月『しまむら』のヤングカジュアル専門店『アベイル』で扱うブランド『シュリーブ』とのコラボレーションにより復活。『セシルマクビー』も昨年、全43店が閉店したが今年8月、オンラインストアで再始動を発表。ギャルブランド復活の兆しで再びショッパー文化がくる!?