ショーの初日には涙があふれて──

──本当にファン思いの、至れり尽くせりのショーなんですね! きっとお客さんも大満足だったんじゃないですか?

「そうだと嬉しいですね。今はマスクをしてもらっていることと、席ごとに仕切りもあることで申し訳ないなと思っています。声援もかけられないし、“そのかわりに拍手をお願いします”って言っていたら、指輪をしながら一生懸命に手を叩くあまり、手が真っ赤になっちゃうファンの方もいるという話を聞くと……。“はよコロナ、去れや~!!”って、本当に悔しくなっちゃいますよ。

 そんな流れもあって、実は、初日の後半の曲で涙腺が崩壊してしまって、自分でもありえないくらいに号泣しました感動よりも、感謝の気持ちがあまりに強かったんです。温かく見守ってくれるファンのみんなも一緒になって泣いてくれているし、楽曲も思い入れのあるものばかりで、いろいろな思いが込みあげてきたんでしょうね。

 歌っているうちに、恩師の顔や、会場を作ってくださった方の顔も思い浮かんできました。初日に間に合わせるようにと、必死に舞台制作をしているスタッフを夜中に見に行っていたんですが、それまで見てこなかったものも見えてきて、感謝の気持ちがあふれてきたんですよ。だから、今回のショーをやってみて初めて気がついたことが、本当にたくさんありました

 おかげさまで、デビュー記念日でもある12月12日の追加公演も決まりました。この日は特別な日にしようと、今からいろいろと考えています!

かっちゃんの熱いキモチ、みなさんに届け! 撮影:伊藤和幸

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 話を聞いてみると、音楽やダンスへの情熱が失われないどころか、いま再び高まっていることに、こちらまで胸が熱くなる。また、イメージどおりの天真爛漫(らんまん)な部分がありつつ、実際にはスタッフやファンの意見をあまねく取り入れていることや、周囲への感謝を忘れない姿勢に大いに感服させられる。こうしたさまざまな壁を乗り越えていく熱意は、日々を頑張っている人ならば、大いに共感するのではないだろうか。

 次回は、少年隊の各楽曲についてのエピソードや、近年わき起こる再評価について語ってもらっているので、どうぞお楽しみに!

《取材・文/臼井孝(人と音楽をつなげたい音楽マーケッター)》


【PROFILE】
植草克秀(うえくさ・かつひで) ◎1966年7月24日生まれ、千葉県出身、O型。1980年代前半に少年隊のメンバーとして活動を開始し、1985年12月、シングル『仮面舞踏会』でレコード・デビュー。以降、9作のシングルでオリコン1位を獲得。少年隊の活動と並行し、ソロとしてドラマ『さすらい刑事旅情編』や『渡る世間は鬼ばかり』などの人気シリーズにもレギュラーで出演。2020年末にジャニーズ事務所を退所し、2021年1月より新会社「2steps」を設立。

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