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現代社会は人間関係のストレスだらけ。世渡りの方法を知りたいけれど、大人になってしまった今は聞ける人も周りにいない──。でも大丈夫、それ懐ゲーで経験してますよ。あなたが「あのころ」夢中でプレーしたタイトルって、じつは“人生の教科書”でもあったんです。プロデューサー視点でひも解くゲーム体験の数々。

懐ゲー的処世術

懐ゲー的処世術(1)「マリオブラザーズ」で学んだ“パートナー選び”の大切さ

SNSでの感想
「マリオブラザーズ」(任天堂)※編集部撮影
目次
  • 最大の攻略法は“2人同時プレイ”
  • “わひゃひゃひゃひゃ!”

 大人って大変。

 仕事もプライベートもうまくいかないことが盛りだくさん。子どものころは大人になったら好き放題できると思っていたのに、想像と違ってその生活は窮屈だ。

 うまく楽しく生きることを誰かに教えてもらいたいのに、そういう相談相手すら回りにいない。

 でも、安心してください。その悩み、きっとゲームで経験してますよ。

 懐ゲーには世の中を生き抜くノウハウがたくさん詰まっています。そう、かつて夢中になって遊んだ懐ゲーからこそ、現代社会を生き抜く処世術を学び取れるのです。

 懐ゲーから現代を生き抜く術を学ぶ、「懐ゲー的処世術」第1回は、誰もが通ったあの名作「マリオブラザーズ」です。

 国民的ゲームキャラクターのマリオがはじめて主人公となったタイトルです。はじめて遊んだファミコンソフトがこの作品だったという人も多いのではないでしょうか。

 続編にあたる「スーパーマリオブラザーズ」が大ヒットして以来、マリオさんは世界規模の超売れっ子になります。

 キノコ王国を飛び出したマリオは、時を超え、ハードを超え、大活躍。ゴルフ、F1、ゴーカート、バスケにテニス。配管工から医者に転職を果たし、ついにはオリンピック出場まで果たします。

最大の攻略法は“2人同時プレイ

 話を戻しましょう。マリオブラザーズはこんなゲームでした。

 配管工のマリオが地下ステージにはびこるお邪魔キャラを退治して、地下の平和を守る、的なゲームです。

 土管から出てくる、カメ、カニ、ハエを気絶させて蹴落とし、お邪魔キャラをすべてやっつけるとステージクリアとなります。

 ステージを進めると敵の種類が増え、難易度が上がりますが、このゲームには最大の攻略法がありました。

 そう、2人同時プレイです。

 タイトルの「ブラザーズ」から想像できるように、マリオの弟・ルイージを使って2人のプレイヤーが同時にプレイできるのです。

 1人だと苦戦するステージも、2人で協力すれば難なく攻略できるというゲームなのです。

 担当するエリアを左右で分けたり、気絶と蹴落としの役割を分担したりと、プレイヤーが作戦を相談して攻略していくのがとても楽しいゲームでした。

 攻略のコツはなんといっても、プレイヤー同士の息を合わせることでした。

 放置していたカメがしばらくするとよみがえったり、思いがけないところからファイヤーボールが出てきたりと、プレイ中は予想外の事態が畳みかけてきます。臨機応変に対応できる息の合ったパートナー選びが肝心。

 お父さんはゲームが下手だし、お母さんはそもそもファミコンがあまり好きじゃない。

 おじいちゃんは麻雀しかプレイしないし、おばあちゃんはファミコンのことを「ピコピコ」と呼び続けている。

 どこかに信頼できるパートナーはいないものかと全国の少年たちは、パートナー探しに頭を抱えました。

 そして答えを出します。

 いつも遊んでいる、いちばんの友達をパートナーに抜擢(ばってき)するのです。

 仲よしコンビと呼ばれているアイツとならコンビネーションに不安はない。

 カメだろうがカニだろうが、阿吽(あうん)の呼吸で蹴散らしてみせる。

 さあ、行こうではないか、何面あるかわからないけど、その先へ!

 という感じで、いちばん仲のよかった友達をパートナーに選んで、地下に突入したあの日のこと、覚えていますか?

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