何度も間違いを繰り返し、たどり着いた解決手段

 このタイトルは、セーブではなくパスワード方式が採用されているのですが、このパスワードがとにかく複雑で、正しく書き取って入力することがほぼできないのです。

 ひらがな、かたかな、アルファベットがまざっていて非常に難しい。

「エ」と「I(アイ)」、「り」と「リ」など判別不能といっても過言ではないレベル。しかもゲームを進めると文字数が増えていきます。

 文字は白と緑で色分けされているのですが、それもまた書き取り時の邪魔になって書き取りミスを招きます。書き取りが難しければ入力も難しい。

 パスワードを間違えてしまうと、そこまで進めた冒険はもちろん水の泡。すべて白紙になり、最初からやり直しという痛すぎるペナルティが待っています。

 書き取りミスや入力ミスでやり直しになったときの無力感は、ゲームキッズに血しぶき以上のショックを与えてくれました。

 なお、私は何度も間違いを繰り返した揚げ句、パスワード表示画面をインスタントカメラで撮影するという手段にたどり着きました。この方法でパスワード問題は一気に解消し、ゲームを進めることができたのです。科学の粋を結集させ、見事、難敵パスワードを打ち破ることができました。

「夜、一人では遊ばないでください」

 このキャッチコピーはきっと「暗いところで一人でパスワードを書き留めないでね」という意図が込められていたのでしょう。

「邪聖剣ネクロマンサー」は、誤字脱字こそすべてを白紙にする重罪であることを教えてくれました。

 社会人になったみなさんも、ぜひネクロマンサーの教えを忘れないでビジネス文書作成に臨んでください。

 誤字脱字が怪しいと思ったときは、インスタントカメラの使用をお勧めしておきます。

(文/野中大三)

《PROFILE》
ゲームとプロレスをこよなく愛するコラムニスト兼ドット絵師。電子玩具開発を経て、株式会社カプコンでテレビゲームのプロデューサーを務め、オリジナルタイトルや人気シリーズタイトルのプロデュースを手がける。現在も電子ゲームの開発に携わっている。35年にのぼるプロレス観戦歴とゲームプレイ歴の経験から日本最大のプロレス団体、新日本プロレスオフィシャルサイトでコラム「ゲーム的プロレス論」を連載中。プロレスラーをドットで表現する「dotswrestler」をTwitterで公開中。