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漫画・アニメ

少年ジャンプ黄金期『アウターゾーン』『WILD HALF』の作者は夫婦だった!いま振り返る結婚と仕事の舞台裏

SNSでの感想
光原伸先生『アウターゾーン』のミザリィ(左)と浅美裕子先生『WILD HALF』のサルサ
目次
  • 私の顔を覚えていない
  • 結婚するぞー!っていう気持ちだけ
  • 週刊連載は仕事もきついけど
  • 教室のすみにいるタイプでも家が買える
  • 順位が下がらないと連載が終わらない
  • ジャンプは天才であることがスタートライン

 圧倒的な部数を誇るナンバーワンマンガ雑誌と言えば『週刊少年ジャンプ』(集英社)。さかのぼれば、今のように電子コミックが普及する前の1990年代に、最高653万部(94年)という、とんでもない部数を発行していた同誌は、今以上にとてつもない影響力を持っていたのです。

 91年からの『アウターゾーン』、96年からの『WILD HALF(ワイルドハーフ)』と聞いて「ああ! 大好き」「夢中で読んだ」という人も多いはず。“ジャンプ黄金期”に、ひときわ個性的な光を放っていた両名作の漫画家さん、実は情熱的な愛で結ばれた、ご夫婦なのです……。

私の顔を覚えていない

「自分は顔を合わせた最初からです」

 結婚を決めた瞬間を聞くと、妻で『WILD HALF』の作者・浅美裕子先生はそうキッパリと。その横でニコニコしていた『アウターゾーン』の作者で夫の光原伸先生のほうは、

「いやー、なんかアピールされたから、まあ。だからパーティーで会って話をして、みたいな」

 照れ隠し半分でのらりくらり。でもSNSがない時代、漫画家さんたちってどうやって知り合うの?

 そもそもの出会いはというと?

浅美「私が『天より高く!』という作品を連載していたときです。その当時は、まだ集英社が打ち合わせを編集部でやっていました。今は下に部屋があって部外者は編集部に入れないようになっているけど。それで担当編集さんの机に行ったけど不在で。“ちょっと来るまで待ってて、机で”って言われて、そこに積みあがっていた単行本の『アウターゾーン』を読んでみたらおもしろくて。それで手紙を書きました

──こんなにおもしろい作品を描く人って、どんな人なんだろう? 会ってみたいっていう気持ちが強かったんですね。

浅美「ぶっちゃけて言うと、作品を好きなだけだったら、ほかにもいっぱい才能のある作家さんはいるけど、この人の単行本に収録されていた作品解説に響くものがありました

 その日を境にトントン拍子で……というわけでもなく、手紙のやり取り開始から対面まで、なんと4年もの間があったんだって。

浅美最初の手紙が92年。実際に顔を合わせたのが95年の年末のパーティー。『WILD HALF』連載開始の少し前ですね

光原「そんな空いてたっけ?」

──それで思いが募った部分もあるんですかね?

浅美ないです

──それはないんですね(笑)

浅美なんとなく私は勘を信じるタイプで、この人と結婚するような気がするけど、さすがに1回も会っていないのに、それはないだろう、頭がおかしいわって

光原この人の漫画はデビュー作とかを読んでいて、すごい才能あるなーとは思っていましたね

──実際、95年末にお会いになられて、どうでしたか? 長い時を経て。

光原「どうだったかな(笑)」

浅美この人、私の顔を覚えていない。服しか覚えていない。もうね、私は研究して行ったんですよ。ミザリィ(『アウターゾーン』の主人公とも言える女性キャラクター)の服装の系統からいって、ボディコン服かボンテージが好きだろう。でもボンテージは攻め過ぎだなと思って、家にある服の中で一番ボディコンのやつを着ていったんですよ

 作戦は大成功!? ドンピシャだったようで、

浅美「共通の知人が彼に“印象どうだった?”って聞いたら、“顔は覚えてないけど服は好みだった”って言ったって

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