とはいうものの、その後20代後半から30代にかけてはNHK大河ドラマ『天地人』『八重の桜』をはじめ、民放の『BOSS』シリーズ、映画『ハゲタカ』『ノルウェイの森』、そして前述した『マッサン』など、どんどん新たな境地を開いていく。
──意外です。はたから見ると、すごく充実しているように見えました。
「年齢を重ねていくにつれて、この仕事の大変さというか、自分が商品であることの孤独さとかがわかってきたような気がします。
でも、話していないだけで、俺、みんないろいろあると思うけどね。絶対あると思う」
──それにしても、誰にも話さないというのは強いですね。
「僕の性格上、話してもしょうがないと思っちゃうんですよ。話したら話したで、それ相応の答えが返ってこないとイラついちゃうし。だから仕事に限らず、あまり自分の悩みみたいなものはシェアしないですね。
答えが返ってこなくても、吐き出すことで昇華される人もいるじゃないですか。ただ僕の場合、話しても解決につながる何かがないと不毛かなと思っちゃうので」
──そもそも、どういうきっかけで俳優を志したんですか。
「最初はすごく浅はかで、有名になりたいとか、チヤホヤされたいとか、そういう感じでしたね。今とは真反対です」
──今はチヤホヤされたいという思いはない?
「まったくないです。さっきも言いましたけど、別に自分に期待していないし。褒められたり評価されたりすると、かえって居心地が悪い。若いころとはぜんぜん違いますね。
役者を始めてもう20年ちょっとたちますが、たまたま昔の作品を見たりすると、なんか今の自分よりも大きく見えるときもあるし。不思議ですよね」