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安蘭けいさんが語る、舞台『血の婚礼』で演じる“究極に強い母親像”と宝塚時代の「諦めていたトップスターの座」

SNSでの感想
安蘭けいさん。まぶしい笑顔にパワーをわけてもらえそう
目次
  • 演じるのは“究極の強さを持つ母親”。自分なりの解釈を演出家に提案中
  • 『血の婚礼』は「現代でも起こりうる、現実的な話」だと気づいた
  • 2番手が長かった宝塚時代に「とある決心」をし舞台に没頭していたら──
  • 予想外に展開していくストーリーをぜひ楽しんでいただきたい

 元宝塚歌劇団の星組トップスターで、退団後も舞台を中心に活躍し続けている安蘭けいさん。2022年9月、10月に東京と大阪で上演される、スペインを舞台にした官能的な悲劇『血の婚礼』では、結婚を控えた息子を溺愛する母親役を演じます。人間の愚かさや情熱を描いた本作にかける強い気持ちや、宝塚時代、トップスターになるまでの苦悩などについて、お話を伺いました。
 

◇   ◇   ◇

演じるのは“究極の強さを持つ母親”。自分なりの解釈を演出家に提案中

 宝塚を退団してからもミュージカルの舞台に立つことが多いのですが、宝塚時代から“リアルなお芝居”が好きで、ストレートプレイ(セリフに歌唱を含まない、ミュージカルやオペラ以外の一般的な演劇)にも「いずれ出てみたい」と、ずっと思っていました。今回出演する『血の婚礼』は、ロルカ(スペインの劇作家、フェデリコ・ガルシーア・ロルカ)による戯曲で、久しぶりのストレートプレイに挑みます。

 '11年に上演された、蜷川幸雄さん演出の『血の婚礼』は観に行きました。これは清水邦夫さんがロルカの『血の婚礼』をもとに創作された作品ですが、当時は会場で約90分間、ほぼ全編にわたって舞台に雨が降り続ける演出の印象があまりに強くて、物語自体はそれほど記憶になかったんです。でも今回、改めて台本を読んでみたら、散文と韻文が入り混ざった詩的なセリフや普遍性のある物語が興味深く、出演させていただきたいと思いました。

 舞台は、スペインのアンダルシア地方。ひとりの女をめぐり、男ふたりが命をかけて闘う、という物話で、須賀健太さん演じる“花婿”の母親を演じます。溺愛するこの次男が、早見あかりさん演じる“花嫁”と結婚することになり、息子の旅立ちに複雑な想いを抱いているのですが、結婚式に木村達成さん扮する花嫁の元カレ・レオナルドが乱入してくるという事件が起きます。その男は昔、夫と長男を殺した一族の人間だったんです。

 今、台本読みが終わり、第1幕の立ち稽古の真っ最中です。暗くて重いストーリーなのに、現場には笑いも多くて和みますね。そんな中、今回の母親役は強く激しく演じようと、役作りに力を入れています

 “花婿の母親”は、これまでに出会ったこともないような、とにかく強烈なパンチ力を発揮するキャラなんです。土地の因襲や血筋に強くこだわっていて、息子や花嫁に対しても、すべてを牛耳る。農場経営者ならではのたくましさも相まって、なにしろ男っぽく、乱暴な口調で語尾がきつい。夫も長男も殺されてしまい、愛する次男のためだけに生きているのに、最後はその残された息子さえも死んでしまう。それでも立ち上がり、生きていく。「実は、誰もそばにいなくても生きていけるんじゃないの」とびっくりするほど、究極の強さを持つ女性です。

 とはいえ、マザコンにさせてしまうくらい息子を溺愛しているので、最初は優しい母親像をイメージしていたのですが、稽古を進めていくうちに「これは方向転換が必要だ」と気づき、試行錯誤している最中です。最後まで通したところで、“花婿の母親”のあり方や、それぞれの役との力関係もはっきりしてくるかと思います。

 上演台本は、スペイン演劇の第一人者・田尻陽一さんによる新訳ですが、私のセリフの語尾が「〜なのよ」ではなく、「〜だよ」とか「〜さ」という断定的な口調で、すごく熱く話す女性として描かれています。口調のキツさに、この女性の強さがいっそう表れていて、誰もがひるむくらいのインパクトがあるんですよね。母親役は経験が豊富なのですが、今回演じる母親像を解釈するには苦労もたくさんあり、演出の杉原邦生さんに自分なりの提案をしているところです。

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