ステージ上で禁止行為! 数々の伝説を生んだステージ
──ラママでは、全裸になるパフォーマンスで数々のライブハウスを出演禁止になったオナニーマシーン(以下、オナマシ。音楽雑誌の編集長だった故・イノマーさんがボーカルを務めた過激なパンクバンド)が定期的にライブを行ったり、峯田和伸さんがボーカルを務める銀杏BOYZもよく出演していました。私はオナマシと銀杏が出たライブをラママに観に行って、ステージから投げられたティッシュや生ケーキまみれになったことがあります(笑)。出演に基準などないのですか?
「オナマシはステージ上でぬるぬるになるローションをまいたりするから、そのローションが引火しないか、ローションに浸したティッシュに火をつけて確認したんだよ(笑)。引火はしなかったんだけれど、その場面をメンバーに見られて“何しているんですか?”って言われたり(笑)。
過激なことで言えば、あるミュージシャンがステージ上でウ〇コしたのがすべての先駆けだね。ステージ上で放尿したり、炊飯器を持ちこんでご飯の上にウ〇コしたり、ドラム缶を20〜30個持ちこんで叩き回ったり……。ちょうどパンクバンドが流行(はや)ってきた頃ですかね」
──ラママではNG行為はなかったのですか?
「法律さえ犯さなければ何してもいいと思っているんだよね。ステージ上で行われることはすべて表現の一環ならいいって思っている。若い人たちには、やりたいことをやりたいようにやりなさいと伝えています」
──かなりギリギリだと思いますが……。その何が起きるかわからない非日常がライブハウスという空間かもしれませんね。
「以前はね、新宿LOFT(注:BOOWYなどを輩出した老舗のライブハウス)やラママに出ることが、バンドマンの間で売れるための1つの基準になっていたんです。でも僕はそういう周りのことはあまり気にならなくて、あらゆるジャンルのトップの人をステージに出したいと思っている」
──Mr.ChildrenやTHE YELLOW MONKEYもラママに出演していましたが、ブレイクしたミュージシャンは何が違いましたか?
「正直に言うと、みんな似たり寄ったりだね。ただ、何とか世界に飛び出して活躍するバンドが出てくれば、状況は変わると思うんだけど」
──そうなのですか!?
「何千という出演者がいるから、それぞれに思い入れを持つと大変っていうのもあるけれどね。ただ、BOOWYの氷室京介はカッコよかったよ。でも海外だと、オーディションを勝ち抜かなければならなかったり、売れるために必要なレベルがある。でも日本の場合は、“なんでこいつが?”っていうレベルでも売れることがあるからね(苦笑)。日本って、その時代、時代にマッチしたものがブレイクする風土があると思う」