4月3日から始まった朝ドラ『らんまん』の2話、“おディーン様”ことディーン・フジオカさんが出演した。幼い主人公・万太郎(森優理斗)が裏山の神社で出会う“天狗”だった。といっても、舞台は高知。マントにブーツその他諸々の姿で木の上から飛び降りてきた、そこから坂本龍馬感満載だった。
そしてディーンさんの龍馬、とてもカッコよかった。3話では、タイトルバックの前の2分間、万太郎を肩に乗せた龍馬がほぼ1人で語った。「(みんな)己の心と命を燃やして、何かひとつ、事をなすために生まれてくるがじゃ。誰に命じられたことじゃーない。己自身が決めて、ここにおるがじゃ」「お前も大きゅうなったら何でもできる。望むものになれるがやき」。そして最後に万太郎に問いかける。「お前は何がしたいがぜ?」
とっくに大きゅうなってしまった私だが、胸が熱くなった。そうだ、何にでもなれる、自分で決めた道を歩くんだ。そんな思いが湧き上がってきた。もう還暦過ぎてますけど、と自分で自分にツッコミを入れつつ、ちょっと涙がにじんだ。直球ど真ん中で、堂々と自分の人生を生きる意味を説く。それが朝ドラのよきところで、人はいくつになっても励まされる。そのことを再確認した。