e-Sportsは競技でなく娯楽だから実況では「熱量」を意識

イベントゲストでのOooDaさん(左)。隣にいるのは苦労をともにした元プロゲーマー、現キャスターのyukishiroさん

──いつごろからゲームキャスターとして軌道に乗ったんですか?

2014年ごろにイベント制作会社にキャスターとして雇ってもらえたんですよ」

──当時「ゲームキャスター」という職業ってOooDaさん以外にいらっしゃったんですか?

「いや、まだゲームの大会の母数も少なかったですし、ほぼいなかったです。格闘ゲームのアールさんとか、僕の先輩のyukishiroさんくらいかなぁ。

 当時の実況者ってキャスター経験はあっても、どこかで一般企業に就職したり、裏方に回ったりしていたんで、キャスター業だけを続けている人は本当に少なかったですね」

──そういう意味ではOooDaさんはモデルケースを作ったという意味でも偉大ですよね。そもそも大会が少なく仕事をもらい続ける土壌がないのに、不安なく楽しめるのが大きいですよ。

「今も同じですけど、当時から実況が楽しくてたまらないですね。公式大会ってプレイヤーとしての自分が憧れているスターたちが日々練習した成果を出し切る場所じゃないですか。そんな熱い戦いを視聴者のみなさんに伝える。それで“うおおお!”って湧いてくれる。そんな一体感もある。そのすべてがドラマチックで好きなんですよね

──大会と実況という構図としては野球、サッカーみたいなメジャースポーツと同じですけど、ゲームならではのおもしろさもありますよね。

「そうですね。スポーツって"競技"じゃないですか。でもゲームって娯楽なので、競うより先に"楽しい"という感情がありますよね。だからプレイヤーも観客のみんなもワクワクしながら観られるのかなと思います」

──その点はOooDaさんもキャスターとして意識しているんですか?

「そうですね。実況するときはエンターテインメントとして"熱量"を持って話すことを意識しています。もちろん冷静に分析しながらしゃべることもできるんですけど、いちばんは“ゲームって楽しいよね”ってことが伝わればいいなと思ってますね」

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(取材・文/ジュウ・ショ、編集/FM中西)