今よく聴いているのは教授の2ndソロアルバム
──すごく聴いてみたくなりました! 最近、聴いているアルバムや曲はありますか?
「教授(坂本龍一さん)が亡くなってから、彼の音楽ばかり聴いていますね。教授の『B-2ユニット』(1980年リリース)が教授のアルバムの中でいちばん好きなんです。デニス・ボーヴェル(ブリティッシュ・レゲエバンド『マトゥンビ』のメンバー、プロデューサー)がミックスをしているんですけれど、ダブ(レゲエから派生した音楽制作手法)のオンオフがめちゃくちゃアナログな感じでなんです。ターンって音が鳴っている途中で切ったりしているんです」
──前衛的な音なんですね。
「教授が、YMOのポピュラリティに反する感じで実験音楽を取り入れているんですが、それがすごくカッコいいんですよ! でも発売当時、中2でこのアルバムを買ったとき、YMOのキラキラ感がまったくなく、失敗した……って思ったんやけど、当時のお小遣い事情では失敗は許されず、好きになるまで聴きまくりました。で、今となってはいちばん好きという(笑)。ドラムの音からシンセのプロフェット10の音、全てがぶっとくて正にアナログ盤でこそ楽しめる音やと思います。『B-2ユニット』もドイツ盤、UK盤とあるのですが、日本盤がいちばんよかったです」
──ミュージシャンの観点からお聞きしたいのですが、レコーディングでこだわっている部分は何ですか?
「まず意識として、“一生残るものやな”と思ってやっています。リズムの付き方はすごく考えますね。あとは自分が弾いたっていうのを度外視して、客観的に見てもカッコいいものかどうかっていうのは意識しています」
──アナログに興味を持ったのですが、レコード喫茶など、いい音で聴ける場所をご存じですか?
「田島の家かな」
──(笑)。それは親しくならないと難しいですね。
「田島のスタジオで聴いたキング・クリムゾンが、“こんなええ音やったんだ!”って驚いたからね。アナログを聴いて感動したのはあいつのスタジオだね」
(取材・文/池守りぜね)
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