──なるほど。小学生のときは福島でどんな遊びをしていたんですか?
「とりあえず、"ギャルといえばプリクラ"だと思ってたんで、めちゃくちゃ撮ってましたね。コスプレできるゲームセンターでギャルっぽい服装に着替えたりして。
でも当時は『egg』とか『Ranzuki』みたいなギャル雑誌すら知らなかったんで、ギャルファッションはわかんなかったんですよね。だから、とりあえずヤンキーの友達の格好を真似(まね)してました」
──あ、でも確かにヤンキーの服装とギャルファッションって近いかもしれない。
「そうですよね。当時は“ちょっとギャルっぽくない?”みたいな(笑)。でもギャルとヤンキーのファッションってまったく違うんですよ」
──え、どう違うんですか? めっちゃ気になる……。
「ギャルもヤンキーも動機は一緒で“自分を強く見せたい”っていう気持ちからスタートするパターンが多いんです。やっぱり学校でいじめられたくないじゃないですか。だからとりあえず金髪にしたり、ジャージを着たりして不良っぽく見せるんですよね。それがヤンキーです。
で、そこから“え、でもちょっと待って、かわいくなりたいかも”って思って、メイクだけギャルっぽくし始めるんですよ。つけまつげを付けてみたり。でもお金かけたくないから“髪の毛はブリーチしっぱなしでプリンになってる”とか“服装はジャージ”とかなんです。それがいわゆる“ヤンギャル”ですね。ちょっとギャルっぽいけど、完璧じゃないっていうか」
──おもしろいです。ヤンキーからギャルになっていく過程があるんですね。
「そう。私が小・中学生のころは、地元にヤンギャルが多かったですね。でもヤンギャルと違って、ギャルって完璧なんですよ。
もちろん流行は大切だから常にチェックしておくし、服装にはちゃんとお金をかける。ヘアケアもしっかりやるし、メイクも爪も常にキレイにしておく、みたいな。完璧だからこそ、ちゃんと自己肯定できるんですよね。
でも小学生のときは私もギャルを理解できてなかったので、とりあえずヤンキーっぽい格好を真似してましたね(笑)。“親は厳しいから、家ではいい子にしておく”みたいな感じでした」