俳優としてよりよく生きること

 2019年も、多くの映画、ドラマ、舞台に出演そして主演ドラマ『TWO WEEKS』の主題歌でCDデビューするなど多忙だった三浦さん。1年を振り返って思うことは?

「『罪と罰』の舞台から始まり、続いて『キンキーブーツ』の再演があって、板の上に立つということに関しては、すごく動いたし練れた1年だった気がしますね。今はやりたいことがやれているので、充実しています」

 俳優として今いちばん興味があることは何か聞いてみると、深い言葉が返ってきた。

変に思われるかもしれませんが、よりよく生きること。いろいろな意味でよりよく生きれば、日々のマインドも波風立てられずに、仕事でもしっかり自分の役目を果たせるんじゃないかなと思うから。

 樹木希林さんの著書に“しっかり人の痛みに触れるとか、誰かの思惑をしっかり考えてあげて、そこに寄り添ってあげるっていうことが役者には必要だ”ということが書かれていて。確かにそうだなと思いますけど、煩わしかったり、自分に自信がなかったりして、なかなか踏み込んでいけないことが多いんですよね。

 でも仕事を通してだったら、寄り添うことが恥ずかしい気持ちもなくできると思うので、今回の稽古場でも、キャストのみなさんと話し合ってコミュニケーションをとって、役を通して支え合っていけたら、いいものができるんじゃないかなと思います」

 


みうら・はるま 1990年4月5日、茨城県出身。2019年も、映画、ドラマ、舞台で幅広く活躍。NHK総合『世界はほしいモノにあふれてる 旅するバイヤー極上リスト』(毎週木曜22時30分~)出演中。2020年1月16日~17日東京国際フォーラムAにて上演の『シンシア・エリヴォ ミュージカルコンサート featuring マシュー・モリソン&三浦春馬』出演。

ミュージカル『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド〜汚れなき瞳〜』

『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド〜汚れなき瞳〜』 (c)アミューズ

 1959年ルイジアナ。脱獄したひとりの「男(ザ・マン)」(三浦春馬)は、ある納屋に身を潜める。偶然彼を見つけた少女スワロー(生田絵梨花)は、彼をイエス・キリストの生まれ変わりだと信じ、死んだ母親にもう1度会いたいと願う。汚れなき瞳を持つスワローに自分の正体を明かせないままキリストとして日々を過ごすザ・マン。次第にスワローは彼の正体に気づき始め、2人はザ・マンを追う街の人々との騒動に巻き込まれていく……。
 魂を揺さぶる感動ミュージカル。東京公演:2020年3月7日~29日@日生劇場/富山公演:4月4日~5日@オーバード・ホール/福岡公演:4月10日~12日@北九州芸術劇場/愛知公演:4月17日~19日@愛知県芸術劇場大ホール/大阪公演:4月23日~30日@梅田芸術劇場メインホール【オフィシャルサイト】http://www.whistledownthewind.jp/

取材・文/井ノ口裕子
スタイリスト/TAKAO(D-CORD LIMITED) ヘアメイク/AZUMA(M-rep)

(週刊女性2020年1月1日号掲載)