父・梅宮辰夫さんの一周忌を迎え、最近ようやく自分のことを考える余裕ができたという梅宮アンナさん。50代を目前に控え「やりたいことがたくさんある」というアンナさんに、仕事や恋愛などに対する率直な思い、これから目指す生き方について話を聞いた。
(前編の記事『梅宮アンナが語る父・梅宮辰夫「私、父が亡くなってから、まともに泣いてないんです」』はコチラ)
◆ ◆ ◆
父が亡くなってから、「あれっ、なんだか風向きが変わったのかな」と感じることが多くなりました。新しく知り合う人たちが、みんないい人たちばかりなんです。父が守ってくれているのかもしれないと思っています。
振り返れば、ここ数年はずっと家族のことで頭がいっぱい。父の闘病中、母も膠原病を発症したりと、私自身は自分のことをゆっくり考える時間もなくて……。父の一周忌を前に、ようやく自分のやりたいことを落ち着いて思い描けるようになりました。
年齢を重ね、「嘘をつきたくない」という気持ちがますます強くなりましたね。自分が本当にやりたいことと、やりたくないことを真剣に考えるうちに、自然とテレビと距離ができていたんです。テレビでは、思ってもいないことを「こういうふうに言ってほしい」と求められたりします。コメンテーターとして出演していても、自分の考えではなく、あらかじめ答えが用意されていることがあるんです。
「はい、わかりました」と、受け入れたほうが楽なのかもしれない。でも、思ってもいないことを演出どおりに口にするということは、「世の中に媚(こ)びている」ことだと私は思うんです。媚びるということは、嘘をつくことと同じ。たびたび断っているうちに、テレビ出演の機会も少なくなっていきました。
SNSでは絶対に嘘をつかない
そのかわり、インスタグラムなどのSNSでは、絶対に嘘はつかないと決めて、自分の思いを発信しています。商品を紹介するときも、自分で本当にいいものだと思えるものを紹介するようにしています。
ファッションやメイクのことから、いま個人的に考えていることなど、内容はさまざまですが、たくさんの方から反響やメッセージをいただきます。
そんななか、16歳の女の子から「学校に行くのが嫌なんだけど、どうすればいいですか」とダイレクトメールが届いたことがありました。娘と同じ世代だし、自分が10代のころを思い出したりもして、放っておけなくて。何度もメールをやりとりしました。
私も親が選んだ高校が嫌になって、一度やめて、再受験した経験があります。親に「学校をやめてどうするの?」と聞かれたとき、私は「わからない。でも、このままじゃ私の心が死んじゃう」と答えました。
「学校やめたい」という子どもに対して、すぐに「いいよ」と返事する親なんていませんよね。自分の気持ちをきちんと親に伝え、理解してもらうのは大変なことです。
メールをくれた女の子は、家から出られず、学校にも行けず、苦しんでいました。
「やめるかどうか決めるのは自分。やめたあとどうするかも自分。親の言うとおりに生きるのではなく、自分で決めなきゃ。だけど一度ゼロにしないと、自分が本当に何をしたいのかわからないんじゃないかな」と、伝えたんです。
「学校をやめることを親が許してくれない」
「私があなたの親御さんと話してもいいよ」
など、何度もやりとりがあったあと、その子はしっかり親と話し、「いまの学校をやめてもいいことになった」と連絡をくれました。外にも出られるようになったそうです。
おせっかいかもしれない(笑)。でも、こうしてまっすぐ気持ちを吐き出してくれる人もいるから、私もますます嘘はつけない。SNSは、誰にも邪魔されず本音を伝えられて、心から自分がいいと思ったものや事柄を、自分の責任で紹介できる場所。これからも大切にしていきたいと思っています。