校長に取材を申し込むと、取材窓口は杉並区教育委員会に一本化しているとのこと。
そこで同教委に対し、永井容疑者の勤務評価や、校内での被害調査をする予定があるかなどを尋ねると、
「少ない情報を集めて事実確認をしているところ。さまざまな対策をしているが、捜査段階でもあり、答えられることはない」(担当者)
とにべもなかった。
高層マンションで妻子と暮らしていた
永井容疑者の“教師の顔”について、別の卒業生はこう話す。
「男子とも女子とも遊んでくれる先生で“鬼ごっこ”が得意でした。体力があって、逃げるのも追いかけるのもうまかった。誰にでもやさしく、すぐに怒ったりしないので男子からも女子からも人気がありました」
その人気ぶりはなかなかのもので、学校では永井容疑者の“ファンクラブ”がいくつも存在していた。
なぜ、歌舞伎町で犯行におよんだのか。
永井容疑者は杉並区内の高層マンションで妻子と暮らしており、自宅にA子さんを連れ込むことはできなかったとみられる。教え子と変わらない年ごろの少女を毒牙(どくが)にかけたのが事実ならば、微笑(ほほえ)ましい“ごっこ”ではなく鬼の所業といえる。
◎取材・文/渡辺高嗣(フリージャーナリスト)
〈PROFILE〉法曹界の専門紙『法律新聞』記者を経て、夕刊紙『内外タイムス』報道部で事件、政治、行政、流行などを取材。2010年2月より『週刊女性』で社会分野担当記者として取材・執筆する