オレの人生の美学
男性には離れて暮らす親族がいる。身内からは、立て札やはがきの投函(とうかん)、置き石について何も言われないのか。
「やめたほうがいいと言われるけれども、子どもも親戚も経緯を知らないからね。本当は、とことん話し合うのがいちばんいいと思っている。オレの人生の美学は筋を通すこと。信念を貫いて絶対に引かない。罪に問われようと、死ぬまで続けるよ」
家主の男性は約50分の取材中、「嫌がらせでも誹謗中傷でもない」と何度も繰り返し、ときに声を荒らげ、口を挟ませようとしなかった。
木札のひとつで、
《私は不退転の意志 死ぬまで抗う》
と宣言したとおりだった。
いい解決方法はないものだろうか──。
◎取材・文/渡辺高嗣(フリージャーナリスト)
〈PROFILE〉法曹界の専門紙『法律新聞』記者を経て、夕刊紙『内外タイムス』報道部で事件、政治、行政、流行などを取材。2010年2月より『週刊女性』で社会分野担当記者として取材・執筆する