その言い方、間違ってるよ!

4.「ことのほかキライ」

 “こと”の漢字は事でなく、殊。「殊には木を切り倒すことを表す“朱”と、死と同じ部首から、殺してしまう、という意味があります」。つまり“ことのほか”には、それ自体に好きなものを1つ決め、それ以外はすべて切り捨てる、という意味がある。なので、ほかを切り捨てたのに“キライ”って重複させて使うのはオカシイのだ。

「ことのほか〇〇〇が好き」なら使い方として正解! イラスト/長田直美

5.「あっけらかんとした性格だ」

 なぜか「天真爛漫な性格」的な意味で使われることもあるけれど、実は「“あっけ”は呆気、口をポカーンと開けている様子のこと。あっけにとられる、などにも使いますよね」。本来の意味でいえば“呆然と口を開けた性格”なんて意味になっちゃうぞ!

6.「ひとり旅をする」

 ソロ活ブームの今、ひとり旅なんて気軽に使う言葉だけれど、実は……「旅という漢字は“方”が旗を立てている様子、“从”が人の集まりを示す。つまり先導がいて集団で移動することを表すのです」。旗を立てて集団を率いる、なんてまさにひと昔前のガイドツアーそのもの!  へぇ〜、ひとりでは旅ってできないものなのね~!

ブッブー!旅はひとりじゃできません! イラスト/長田直美

7.「すごい楽しかった~」

 今日のデート、すごい楽しかった~!  なんてモテ子を気どって使いがちだけど、文法的には間違い。「すごいという形容詞は本来、名詞にしかつかない。でも“すごく”よりも、感覚的に度合いを強調できますよね」。いまや“めっちゃ”でも“マジ”でも、すごさが相手に伝われば、文法からはずれていてもアリなのかも?

文法的には「すごく楽しかった」と言うべき イラスト/長田直美

8.「のべつ幕なしにしゃべる」

 ひっきりなしにしゃべる人に使ってしまうけれど、「もともとは“述べつ”という、ずっとしゃべり続ける様子を表す言葉。明治時代に“幕なしに〇〇する”となり、“まるで、しゃべり続けて幕を下ろすことができないくらいに〇〇をしている”という意味に」。だから“しゃべる”をつけると意味がダブっておかしい!

「のべつ=しゃべる」なので、言葉の二重使いになってしまう。