安くていいものがそろう「お、ねだん以上。」でおなじみのニトリに、アパレルブランドがあるって知ってた? アラフィフからの崩れぎみボディをしっかりカバーしてくれるサイズ展開や着心地抜群なラインナップが魅力! 洋服選びが難しくなる世代は、ぜひチェックしたい、注目ブランドです。
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更年期を迎え、崩れゆく体形……。いままで似合っていた服が急に似合わなくなって、何を着ていいかわからない。そんな“洋服迷子”なアラフィフ世代に朗報! あのニトリが、お手ごろ価格で、着心地抜群、気軽にカラーコーディネートを楽しめることをコンセプトに新ブランド『N+(エヌプラス)』を立ち上げたのだ。
「30~60代女性、特に40~50代の女性がターゲットです。着心地にはかなりこだわっているので、ぜひ試してほしいです」と言うのは、『N+』を展開する株式会社Nプラスの代表取締役社長の高橋陵さん。
胸を張って「着心地がいい」と断言できるワケは、緻密なデータ収集による。全国の35~54歳の女性の身体のサイズをこと細かく調べ、世代ごとに平均的な数字をあぶり出し、それに基づいて服作りをしている。
「平均よりもやせている、太っているといった方でもフィットするよう、ウエストは特殊ゴムにし、生地はストレッチが効くものを多用しています」(高橋さん、以下同)
それゆえ『N+』でいちばんの売れ筋はパンツ。50代ともなると、お腹や太もも、ひざにまで肉がつき、お尻も垂れ放題……(涙)。そんな特徴を押さえて作っているので、股上は深めで、腰全体を包み込むようなフィット感がある。ウエストもゴムで圧迫感がなく、ハリのあるストレッチ生地は体形をしっかりカバー!
「理想的なシルエットのパンツ!」と購入者の多くがリピ買いするというのも、うなずける。
汗をかいても表面に汗ジミができないトップスや、二の腕や肩周りにほどよい余裕を持たせたジャケット、面倒な裾上げをしないですむように、レングス丈を2パターン用意したパンツなど、大人の悩みにとことん寄り添った設計が施されている。
また、コート類を除くほとんどの服が家で洗濯可能なのもうれしい。
50代の体形変化を知りつくしたアパレル
「ここまで女性の体形変化や着心地にこだわり、かつ、手ごろな価格で買えるアパレルは少ないはずです」と高橋社長。ユニクロやしまむらも人気だけど、50代の体形に特化したものとは言いがたい。なるほど、だからこのコロナ禍のアパレル不況でも強気の展開なのか……。
「というワケではないんです。『N+』を始めたのは2019年で、まずはニトリの名を伏せて、1号店を出店したんです。ニトリという看板なしに、お客様からどのような反応を得られるかみたかったのです。そのうちに新型コロナが猛威を振るいだし、当時4店舗あったお店はすべて休業に。“スタートしたらコロナになった”というのが正直なところです」
順風満帆な船出とは言えなかったが、ニトリグループならではの「お客様の不平・不満・不便を解決する商品を、手ごろな価格で」という信念に基づいたラインナップで、じわじわとファン層を拡大。現在は全国17店舗を展開しているが、ゆくゆくは100店舗にするのが目標だ。