ジャニーズに対抗できるボーイズグループは!?

──今、シーンが熱くなっているボーイズグループについても語ってもらいましょう。まずジャニーズからは、前年にメンバーのコロナ感染によって出場を辞退したSnow Manの初出場が全員一致ですね。

臼:今年は待望の1stアルバムが、オリジナル作の中では2021年の最大のヒットになりそうなので、初出場ながらNHKもメドレーなどで大きな扱いをするのではないでしょうか。

 それと、今さらと言われるかもしれませんが、KinKi Kidsをまた出してほしいですね。タレントパワーランキングの『パワースコア』という指標があって、これは、一般の方による「名前を知っている」と「見たい、聞きたい」のアンケート結果をかけ合わせた数値なのですが、10代・20代なら、確かにKing&PrinceやSnow Manなどの若手が上位に。ですが、10代から60代までという、まさに紅白向きの幅広い年齢層で見ると、ジャニーズの中では、嵐やTOKIOを除いたらKinKi Kidsがダントツなんですよ。NHKには、この事実をちゃんと考えてもらいたいですね。

新:KinKi Kidsは20周年の前年に初出場したので、今回こそ25周年となる来年に期待しています。私は、活動休止中の嵐が抜けるぶん、ジャニーズWESTを入れました。彼らは、昨年くらいから「音楽をやるぞ!」という意気込みと実力が世間にも少しずつ浸透してきました今年はデビュー7周年で、セールスも徐々に右肩上がり。出るなら今年ではないでしょうか。

臼:僕も、ジャニーズWESTの成長には目を見張っていますが、最終予想では、11月デビューの、なにわ男子を選びました。デビュー前から大型特番への出演が多いなど、ジャニーズ事務所の期待がハンパないですよね。

カ:いっそのこと、ジャニーズWESTとなにわ男子で関西ジャニーズ1枠を作るという手もありではないですか? なにわ男子は前回、関ジャニ∞のバックに出ていましたが、先輩のWESTも出してあげたいですし……。決してアンチではないのですが、昨年は白組21組の3分の1にあたる7組がジャニーズ枠だったので、これ以上増えるのはどうかなと思います……。

新:そのとおりなんですが、関ジャニ∞、Kis-My-Ft2、ジャニーズWEST、Sexy Zone、Hey!Say!JUMPは、CDセールスが25万枚前後とほぼ横並びなので、誰を出すか出さないか悩みどころですよね。私の予想では、Sexy Zoneを苦渋の決断で入れませんでした

臼:マリウス葉さんが復帰されるなど、タイミングが重要かもしれませんね。

──そのほかのボーイズグループはどうですか。

新:JO1はCDセールスや受賞歴で見ればしっかり結果を残していますが、それと同時に、誰もが知るヒット曲が自分たちにないことも自覚しています。もちろん「11人で出たい」という思いは強いと思いますが、今、彼らが出る意味は大きい。

 JO1以降、ボーイズグループのすそ野が確実に広がりましたよね。ライバル同士で高め合いシーンを盛り上げたいという意識を持っていますし、ファンがTwitterなどSNSに強いので、ボーイズグループのなかではもっとも「紅白、盛り上がってるぞ」というアピールができる、広告塔になれる存在ではないかと思います。また、地方出身メンバーばかりで、なかなか帰省もできない状況下ですから、「NHKさん出してあげて」という気持ちも正直あります(笑)

臼:僕は、候補には挙げていませんが、SKY-HIさんプロデュースのBE:FIRSTがイチオシですね。彼らは普段はどこにでもいるような男子なのに、歌ったり踊ったりすると突然、超絶ハイスペックになるので、まさに紅白受けすると思います。

新: 彼らは、YouTubeのチャンネル登録者数に比べて、再生回数がケタ違いに大きい。それだけコアファン以外も興味を持って、注目しているように思いますね。

臼:11月のデビューシングルが驚異的なセールスになれば、番狂わせもあるかもしれませんね! ハイトーンとタフなボーカルのインパクトから、5人組のDa-iCEも出れば、配信チャートでミラクルが起きそう。

カ:僕は、DISH//の初出場を予想しました。『猫』がロングヒット中ですが、大ヒットの翌年に出場したDAOKO『打上花火』のパターンか、ヒットし続けたのに出場を逃した秦基博『ひまわりの約束』パターンのどちらになるのか。ビルボードジャパンの部門別順位でも、カラオケ部門で常にTOP10入りしていますし、もし、このままジャニーズ寡占(かせん)が続くと、逆にジャニーズのアンチが増えて、コアファンも困るんじゃないでしょうか。その意味でも、DISH//の出場は意義があります。

──今後、ほかのボーイズグループがどれだけジャニーズ枠を攻め込めるかが焦点となりそうですね。

(構成・文/人と音楽をつなげたい音楽マーケッター・臼井孝)

【特別枠や企画枠、さらには演出面についても語り尽くした第3弾は10/23(土)の19時に公開致します!】

《座談会参加者プロフィール》

カーシー:自他ともに認めるトップクラスの紅白マニア。第14回以降、映像に残っている回はすべて視聴し、予想歴は20年以上。ミュージックソムリエの資格を持つ。自身のブログでも紅白や音楽について綴っている(https://kerseemusic.com/)。

新亜希子:アイドルほかエンタメ全般に詳しく、数々の媒体で執筆する音楽ライター。特に、ボーイズグループへの思い入れと知識量はピカ一。

臼井孝:昭和歌謡から最新邦楽、中でもカバー曲や大人音楽の普及を生業とする音楽マーケッター。詳細なデータに基づいたヒットチャートの分析力には定評がある。

高安紗やかNPO法人ミュージックソムリエ協会 、CDショップ大賞事務局、ミュージックソムリエ講座、イベント運営など多岐にわたって活動。