アライグマを見つけたら

 取材帰り、改めて撮影したアライグマの動画を視聴。“ラスカルはあんなに愛らしくて表情豊かで可愛いのにな……”と、謎の感情から『あらいぐまラスカル』の公式LINEスタンプを購入しました。2種類。

 調べていくと、それこそ『あらいぐまラスカル』の影響もあり、日本では1970年代後半からペット飼育されるようになったとありました。その後、2005年に『特定外来生物』に指定され、個人の飼育は禁止。野外に放されるケースが増加した結果の今だということも。

 あの夜、“私もこの目で見たい!”という好奇心でワクワクしながら探しに出てしまいましたが、埼玉県が策定する『埼玉県アライグマ防除実施計画』(ホームページに掲載)によれば、令和元年度の農作物被害金額は2000万円を超え、アライグマによる人獣共通感染症の危険性も懸念されているそうです。

 人間が住む家屋の屋根裏に住み着いたり、食欲旺盛の雑食で肉も魚もよく食べるし、繁殖力がとても強い。わりと無敵。そりゃ大都会・東京にも現れるわけです。

 確かに、アライグマに遭遇し動画を撮影したパートナーは「目が合ったのに逃げる様子もなく、むしろ近づいてくる感じ。目を逸(そ)らしたら負けだと思った」と言っていました。負けなくてよかった。

 環境対策課の方が念を押して教えてくれたのは、「餌をあげることで繁殖を促進してしまい被害を増やす原因にもなるため、むやみに手を出さないようにしてください」ということでした。

 みなさまもアライグマに遭遇した際には、威嚇したり追いかけたりしないように十分気をつけてください。餌づけも禁止です。

(取材・文/高橋もも子)