FXでもうけてNintendo Switch版を出したい
「今は『にょきにょき』をNintendo Switchからも発売して、最低でも10万本とか20万本売りたい。本当はもう1桁上の100万本にいきたいんだけど。たぶんNintendo Switch版を出してネット対戦できるようにすれば全世界で売れるし」
──ニンテンドー3DSで出されてるじゃないですか。それをNintendo Switchに変えるって、どれくらいお金がかかるものなんですか?
「5000万円位。スタッフが5~6人で、やっぱり半年はかかる。結局そうですよ。やるとしたら、ルールはちょっと進化させる予定。もっとわかりやすく」
──資金のめどは?
「これですよ」
そう言いながら、部屋の片隅にあるノートPCのモニターに映るチャートを指さす。
「本人が稼ぐか、株投資しかないでしょ。これ、FXね。でもまだ全然稼いでくれないので腹が立って(笑)。お金いっぱいかけたのに」
──FXでまだ稼げてないですか?
「今度のシステムで稼ぐ。年ウン倍になるって、きっと」
──生活のためのお仕事は?
「今の主な収入源は週2回やっている介護のアルバイト。デイサービスって言うのかな。基本的にはお泊まりで、夜の6時から翌日の9時まで、施設にいるご老人のいろんなお世話。基本的にはご飯を食べさせたり、トイレのお世話をするぐらい。ほかにも雑務がありますけど。ちょっとオシッコ、うんこは大変だけど、それもそんな大したことない。夜勤だからそこにスタッフは自分1人で、5人くらいの老人を見てる」
──71歳で高齢者介護って、肉体的に大変なお仕事じゃないすか。
「いや、そこは全然。体力はあるほうでしょう。どっちかいうと冬も寒いと感じないし、夏に暑いとも思わないし。ほかの人と比べて体力はたぶんあるんでしょうね」
その瞳の奥はギラギラしている。
「FXでもうけて、Nintendo Switch版の『にょきにょき』を出したい。YouTube登録者も10万人になれば、たぶんいけます」
そう、『ぷよぷよ』に大逆転があるように、人生にだって、きっと──。
(取材・文/相良洋一)
《PROFILE》
仁井谷正充(にいたに・まさみつ)◎1950年2月10日生まれ。広島県出身。1982年に株式会社コンパイルを創業。『ぷよぷよ』や『魔導物語』といったヒット作を出し年商70億円を記録するも、拡大路線がいきすぎて1998年に同社は倒産。本人も自己破産をする。職業を転々とした後、2016年にコンパイル〇株式会社を立ち上げ、新作ゲーム『にょきにょき』をリリース。復活を狙う。
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