思わず誰かにLINEしたくなる、おもしろ雑学を紹介。今回は、「ドーナツの穴」について。29歳独男記者が日常の疑問を解決!

【Q】ドーナツにはなぜ穴があいているの?

【A】船乗りが缶のふたで穴をあけたのが始まり。ドーナツは穴があるからこそおいしいんです
(椙山女学園大学国際コミュニケーション学部准教授 芝垣亮介さん)

 ドーナツ。穴があいてなければそのぶんもっと食べられるのに、と思ったことはない? あの穴は、いったいなんのためにあいているのだろう。

 ドーナツの穴に魅せられて、『失われたドーナツの穴を求めて』(さいはて社)という本まで出してしまった言語学者の芝垣亮介さんにお話を聞いた。

「ドーナツはオランダのオリボーレンというお菓子が起源で、もともと穴はあいていませんでした。オランダからイギリス、そしてアメリカへと伝わるうちに、穴のあいたドーナツが増えていったんです」

 誰が初めに穴をあけたのかについては諸説ある。

 1941年に『ドーナツ大討論会』で議論された際は、ハンソン・グレゴリーという船乗りが、ドーナツの真ん中の部分が生焼けだったので、こしょうの缶のふたでくり抜いて穴をあけたのが始まりという説が採用されたという。

「食べ比べると違いがわかりますが、ドーナツは穴があるほうが、ふっくら感をより感じられておいしいんです。また、穴のサイズによってもふわふわ、しっとりと食感が大きく変わるんですよ」(芝垣さん)

 ドーナツの穴は中身をくり抜いて作られていたのだが、機械化が進んで最初から輪の形にできるようになって、今では、くり抜かれていないほうが多い。

 アメリカでは、ドーナツのくり抜かれた部分が「ドーナツの穴」という名で値段を下げて売られているそう。

 穴があったほうが指にひっかけられて食べやすい。実用性も兼ねているのだ。