また、子どもが小さいときに「小学生になったら、仕事にまた本腰を入れよう」と考えていたこともありました。でも実際に成長すると、意外と小学生になってからのほうが親のフォローが必要だと実感させられることもありました。
小学生になると、食事や睡眠時間などの生活習慣に加えて、勉強や友達づきあいなどが本格的に始まります。また、年齢が上がるにつれて、友達と自分を比較して自己肯定感が揺らいだりと、子どもながらに悩みの内容も複雑になっていきます。子育てって、予想どおりにいかないことだらけですよね。
ダブルケアの時間を持ちつつ、現場で取材したい
そんな息子も、もう中学2年生です。小さなころから、わが家では親子の会話と、絵本の読み聞かせ、それから外遊びの時間を大切にしていて、本当に家族みんなでよくおしゃべりしています。思春期を迎えたいまも、中2男子としては、かなり会話するほうだと思います。「お母さんに言われてうれしかった言葉を友達に言ってみたら、すごく喜んでくれた」なんて教えてくれることもあります(笑)。
ムスーっとしていることもありますが、その変化もなんだか面白くて。「そういうお年ごろだもんね」と私が笑うと、息子も黙って「うん」と頷いたり。コミュニケーションの変化も楽しんでいます。いまでも登山やスケボー、SUP(スタンドアップパドルボード)など、身体を動かす遊びは、家族で挑戦しているんです。
いまは、母の介護をしながら仕事をしています。私にとって、日本テレビを退職したことは大きな決断で、悩みに悩みました。入社以来、子育て中も会社ではたくさんの方たちに助けていただき、感謝の気持ちでいっぱいでした。
一方で、ライフワークとしている教育や子育て課題についての取材を、これからも現場で続けていきたいという思いがありました。母の介護の時間も持ちながら、できるだけ取材活動が続けられる道を歩きたいと会社とも相談し、いまに至ります。
「親支援で親も子も幸福に」という壮大なテーマは、私にとってこれからもずっと追い続けていかなくてはならないもの。まだまだ道半ばだと思っています。
(取材・文/植木淳子)