プロ意識の高さは“リアル”

──VTuberとして気をつけていることは?

つねに“誰かに見られている”、“誰かがいる”ということを忘れないようにしています。画面の向こう側といえど、不特定多数の方が配信や活動を見てくれています。不適切な発言や態度をしないことはもちろんですが、“見てくれている誰かに届ける、楽しませる”という気持ちも忘れないよう心がけています」

──VTuber業界のタブーってなんですか?

『現実』と『非現実』、どちらかに寄り過ぎてしまうことだと思います。例えば、普段の振る舞いでしたり、何か話す時とか、魂が強すぎるといろいろと崩れてしまうのです。かといって魂が眠ったままだと、それはそれで面白味がないと言いますか……。要するに、リアルとバーチャルのバランスをどう取るかが大事かなぁって。あくまで個人的な考えですが」

 魂のバックボーンを知ったあとだけに、プロ意識の高さがうかがえる。苦労するのはやっぱりアレのようで……。

「配信内容を考えているとき、ネタ探しのときですね」

 頻度が高いだけに大変そうだ。

──誹謗中傷や炎上が問題になっています。変なコメントとか書き込みへの対応はどうしますか?

「私のほうで見つけたものは、スパッと削除、対応します。今はまだそこまでひどいものがないのが幸いですが!」

 思い切りのよさが大切。

──意外と知られていないVTuber“あるある”は?

“サムネイル制作が意外と大変”ということですかね……。配信開始までに用意しなきゃいけないのはもちろんですが、だいたいが1回の使い切りっていう感じなので。あらかじめ作成しておくっていうのもできなくはないのですが、シリーズものの実況とかだと、“次はどんな内容をやるのか”が都度、変わってきますので、予測できないからギリギリの制作になってしまいます。同じ事務所に所属しているタレントさんとコラボ配信の時にお話しした際も、“あー! 明日のサムネ作ってない!!”とバタバタしていらっしゃったので、結構あるあるなんじゃないかなぁ〜と」

 キズナアイに憧れるというアイルさん(の魂)。目標はというと?

「大きなものとしては、“VTuberって言ったら誰が浮かぶ?”っていう話題があった時に、私・奉城アイルの名前を挙げてもらえるようになることです。それと“常に楽しいを届けられるような存在”になりたいです。どんなかたちであれ、エンターテインメントをリスナーの皆様にお送りするのがバーチャルYouTuberとして大事なことだと思うので、いついかなるときも、エンターテインメント精神を忘れずに活動していきたいです!」

 その熱いソウルは間違いなくリアルなのだ──。

(取材・文/相良洋一)

《PROFILE》
奉城アイル(ほうじょう あいる)『Mi→RiSE』所属/1月21日生まれ。自称メイドで、もともとは王族の者だそう。

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