もう一度会いたい、というよりも
4月3日と14日には横浜と大阪で、西城秀樹デビュー50周年を記念するスペシャルコンサート『THE 50』が開催される。生前最後となったソロコンサート『THE 45+1』(2017年)以来のビッグイベントだ。
「ただ映像を流すだけのフィルムコンサートとはまったく違います。実際にミュージシャンがステージに上がって、バンドがいて、そこにちゃんと西城秀樹がドーンと存在している──。そんなコンサートになります。
バンドは秀樹さんと20年以上にわたって組んできたメンバーたち。みんなこの日のためにスケジュールをあけてくれました。生バンドによる生演奏に、いまのデジタル技術でよみがえった秀樹さんの歌声と映像をお届けします」
──コンサートのタイトルは、これしかないという感じですね。
「2016年の45周年のとき、秀樹さんが “タイトルは『THE 45』でいくよ”と自分でつけたんです。で、2017年は『THE45+1』。そこからプラスを重ねて “50周年まで行けるといいよね”って話をしてたんですね。“1年1年積み重ねていきたい”とも言っていました。なので秀樹さんだったらきっと『THE50』というタイトルにしたと思います。
歌われるのは20曲以上になります。秀樹さんならこういう構成や演出にするだろうなと考えて、本当に50周年に秀樹さんがやりたかったであろうコンサートにしたいと思っています」
──いま片方さんがふとした瞬間に思い出す秀樹さんは、どんな姿ですか?
「立ち姿としては、普通のジーパンにスニーカーのかかとをつぶして履いて、アロハ1枚で歩いている。どこへ行くときもそんな感じでした。気軽に店に入っていって “あいてる〜?”みたいな。テレビ局に入る時もいつも自然体でしたし。
だから、逆にカッコつけているときはわかるんですよ(笑)」
──カッコつけるときもある?
「あります。白いロングコートを着てキメてたり。そういう時はもちろん西城秀樹になるんですけど、それを脱ぎ捨てると、本当に普通のやんちゃなお兄ちゃんなんですよ(笑)」
──秀樹さんの夢は見ますか?
「昨日も夢に出てきたんですが、僕が夢に見るときはだいたい何かのトラブル。本番に間に合わないとか、移動でいくらたっても楽屋にたどり着かないとか。それだけプレッシャーを感じていたのかもしれません。開演して幕が上がったら、お客さんが1人もいないとか」
──そんなことあり得ないのに。
「あとは生前によく見たのは、最後のほうはかなり弱っていたんですが、夢の中では何もなかったかのように走り出したり。
でも、これは本当なんですが、僕らもいつかは必ずよくなると思ってリハビリを続けてもらっていました。電気をあてたりとか空中トレーニングとかをやって、最後はまた戻ってくるはずだと。秀樹さん自身もぜったいによくなるという確信があったから、毎日あの厳しいメニューに通えたんだと思います」
──最後の最後までリハビリに……。
「(意識を失って倒れた)その日も行っていたと思います」
──じゃ、あきらめてないんですね。
「あきらめてないです」
──もう一度会いたいですか?
「実際に今もこうして秀樹さんと一緒にいろいろやっていますから。最先端の技術も駆使しながら秀樹さんに生き続けてもらいたいと思います。亡くなった故人という見せ方を一切していないので、そういった意味ではファンの方とは少し違うかもしれません。
だから、会いたいといえば会いたいのかもしれませんが、それを思ってしまうと亡くなった人みたいで……。それよりも秀樹さんはちょっとお休みしていて、どこか南のほうのリゾートでゆっくり休憩しているのかなぁ、ぐらいの感覚です」
(取材・文/川合文哉)
【関連情報】
◎西城秀樹 コンサート2022「THE 50」
4月3日(日)17:00〜 神奈川県民ホール(横浜)
4月14日(木)18:00〜 オリックス劇場(大阪)
https://earth-corp.co.jp/HIDEKI/special/concert2022-the50/
◎西城秀樹デビュー50周年記念7枚組DVD-BOX
「THE 50 HIDEKI SAIJO song of memories」
https://hidekiforever.com/page/the50hs-song-of-memories/
◎西城秀樹オフィシャルサイト
https://earth-corp.co.jp/HIDEKI/