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「1日1フム」生活。- フムフムニュース -

人生100年時代。今や日本人のおよそ半分は50歳以上です。「NEOFIFTY」では、これから50代を迎える人にとって、その先にある老後が「終活の始まり」ではなく「新しい人生がもう一度始まる」と思えるように、素敵な生き方をしている人たちの言葉を紹介していきます。

芸能

堀部圭亮さんが語る、傑作ホラー・コメディの魅力「心の闇もはたから見れば笑いになる」

SNSでの感想
堀部圭亮さん 撮影/山田智絵
目次
  • ケラさんの作品の魅力
  • “人間の悪意”を感じたとき
  • 萩本欽一さんから教わったこと
  • 心の闇もはたから見れば笑いになる
  • 50代の今、意識していること

 NHK朝ドラ『カムカムエヴリバディ』でヒロインの一家のご近所さんであり、愛すべき偏屈な荒物屋『あかにし』の主人“ケチ兵衛”こと赤螺吉兵衛と、その息子・吉右衛門の一人二役を好演し話題を集めたことも記憶に新しい、俳優の堀部圭亮さん。

 1986年にお笑いコンビ「パワーズ」としてデビューし、解散後に勝俣州和さんとのお笑いコンビ「K2」を結成。『笑っていいとも!』『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』など、数々の人気バラエティで芸人として活躍していたが、2000年代以降は俳優に活躍の場を移し、現在は名バイプレイヤーとしてドラマに映画に舞台にと引っ張りだこだ。

 6月25日から念願だったというケラリーノ・サンドロヴィッチ作の舞台『室温~夜の音楽~』に出演する。現在56歳の堀部さんに、充実したNEOFIFTYライフを2回に渡って語っていただきます。前編では、ケラ作品に惹かれる理由、飽くなき芝居への探求心、今、生き方で大事にしていること……などを伺いました。

ケラさんの作品の魅力

──以前から、ケラリーノ・サンドロヴィッチさんの作品への参加を切望されていたそうですが、その理由を教えていただけますか?

「僕は、ブラックなコメディが大好きなんですね。自分でコントのネタやお芝居を書いたりしている頃から、やっぱりそういう傾向のものが好きでしたし、映画とかでも、観ている人がただただ不快になるような終わり方ではなくて、これはハッピーエンドにしないほうが、登場人物たちの背景を考えたら親切だよねって思えるバッドエンドな作品が大好きで。ケラさんの作品って、人の心の闇の部分の描き方であったりとか、すごくそういう匂いがするんですよ。

 僕が言うのはおこがましいですけど、ケラさんの書くあの演劇的な嫌な台詞は、実生活でそんなことは言わないし、ドラマや映画でもあまりそういう台詞を言わせないんだけど、演劇の空間だとそれを言っても全くズレないというかおかしくならない。今まで拝見した舞台でも、そういう台詞が心に残ってしまう。感覚としては嫌な言葉だけど、なんか今のいいなぁっていうのがあって。ケラさんのそういうチョイスやセンスがすごく好きなんです

──では、今までケラさんの舞台はたくさんご覧になっていたんですね?

「いや、実はそんなにたくさん拝見しているわけではないんですけど(笑)。例えば2018年に拝見した『修道女たち』でも、6人の修道女たちは一見ひとつの集団であるように見えて、それぞれの思いが全部違っていて。それも、あっちにいるときに言ってることと、こっちに来たときに言ってることが違ったりして、そういう裏表のある言葉をケラさん独特の演劇的な台詞で、ズドンズドンって投げてこられると、ドキッとする感覚になる。

 やっぱり人間の表裏って、単純な善悪でもなく闇ですよね。人間は誰しも闇の部分があると思うんですけど。たぶん僕にもあるでしょうし、僕の友人や知人や家族にもあるでしょうし。ケラさんの舞台を見ると、“ああ、やっぱり、それ、みんなあるよね”って思うんです」

堀部圭亮さん 撮影/山田智絵

“人間の悪意”を感じたとき

「例えば、今の話と少しズレてしまうかもしれないんですけど……。仕事に行くのに通勤時間帯の満員電車に乗らなきゃいけないときがあって、自分の荷物を前に抱えて乗っていると、次の駅でまた乗客がグググって乗ってきて。そうしたら自分のスペースを確保するために僕の背中に肘をあてているヤツがいるわけですよ(笑)。で、その瞬間に悪意を感じたんです。“あ! これ、人間の悪意だ!”って。

 でも、この悪意に対して、“痛いからやめてもらえませんか?”って言うのも、相手と同じ次元に行く感じがして嫌だから、もうこれはないものとして(笑)。ただただ、背中側のあばら骨に肘が当たっていて電車の揺れと逆に押してくるのを我慢して(笑)。でも役者として、この気持ちってすごく大事だと思うんですね。そういうときって、“やったー! 今すごい感覚を手に入れた”って思うんです。例えば、憎悪とか悪意を持った人間を演じるときに役作りをするなかで、“ああ~、あれをやるヤツだ!”って思い出したり

──そういう出来事や感覚を役作りのストックにされているんですね?

すごくしています。わりと嫌な感じの役が多いので(笑)。だから本当に“うわ~、この人……”っていうような役をやるときに、すごくそういうリアルな感覚がストックになるというか。新幹線とかで背もたれを蹴ってくる人もそうですけど、そういう相手の気持ちと同時に、やられている自分の気持ちも、昔から引き出しにどんどん入れるようにはしていますね」

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