50代の今、意識していること

──ところで、56歳になった今、生き方で大事にされていることはどんなことですか?

仕事でもプライベートでも、あまり年齢のことを考えないようにすることかな。もう50を過ぎたから……とか考えたりはしないですね。いただく役が、だんだん年齢なりになってくるじゃないですか。もちろん高校生の役はこないですし(笑)。ただ、キャスティングする側の人が、55歳の年齢設定の役を探すときに、55歳前後の役者だけを見てるとしたら、すごくもったいないと思うんですよね。僕でいえば、45歳の役って言われたときに、もう候補には入らないんですけど。でも44歳の役を仮に自分がやるとなったら、いろいろなことを考えると思うし。だから自分では少なくとも、“もう56だから”とかそういうふうには考えないようにはしています。

『カムカムエヴリバディ』で言えば、一番最初の吉兵衛が40代から始まって、次に息子の吉右衛門が出てきたときは30歳くらいだったんですね。で、最後は80近いところまで演じたので、すごくやりがいはありました。もちろん、メイクに助けてもらったり、多少しゃべり方を変えるとか、身体の動きを変えるとか、いろいろなことをしますけど、それでうまく変われたかどうかはわかないです。でも、そういうことをしているのが楽しい。何事も“俺、もう56だからな~”ってやっていると楽しくないじゃないですか(笑)。だから年齢は気にしないですね

堀部圭亮さん 撮影/山田智絵

*後編『堀部圭亮さん「24歳のとき萩本欽一さんに言われた言葉が、40歳で生瀬勝久さんの姿を見て腑に落ちました」』は明日(6月23日18時)公開予定です。

(取材・文/井ノ口裕子)

《PROFILE》
ほりべ・けいすけ 1966年3月25日、東京都出身。1986年にお笑いコンビ「パワーズ」としてデビュー。現在は俳優として活躍。最近の主な出演作品は、【舞台】『シラノ・ド・ベルジュラック』('22)、『ポルノグラフィ』('21)、『チョコレートドーナツ』('20―'21)、『ウエスト・サイド・ストーリー』Season1('19―'20)、『ドライビング・ミス・デイジー』('19)、『華氏451度』('18) 【映画】『Fukushima 50』『his』『SHELL and JOINT』『一度も撃ってません』(すべて'20) 【ドラマ】連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』('21-'22)、『共演NG』('18)など。

●公演情報
舞台『室温~夜の音楽~』
作:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
演出:河原雅彦
音楽・演奏:在日ファンク
出演:古川雄輝、平野綾、坪倉由幸(我が家)、浜野謙太、長井短、堀部圭亮/
伊藤ヨタロウ、ジェントル久保田
日程・会場:
【東京公演】2022年6月25日(土)~7月10日(日) 世田谷パブリックシアター
【兵庫公演】2022年7月22日(金)~7月24日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール

公式HP https://www.ktv.jp/shitsuon/