メンバーとの会話に「なんでこの二人は漫才師じゃないんだろう」

 学歴の暴力は、いつもトークをほめてもらえることが多いのだが、そのトーク力は楽屋だろうとステージ上であろうと変わらない。むしろ“楽屋の方が面白いのでは”というくらい、私はいつも笑っている

 えもちゃんは傘を忘れてきてしまったときに、「傘に関してはキャッチアンドリリースの精神で生きているから」と言い放っていたし、なつぴちゃんはそんなえもちゃんに、いつも的確かつユーモアのきいた返しをしている。「なんでこの二人は漫才師じゃないんだろう」と思うくらい面白い。

 私はそんな二人のトークを聞いて笑っていることで精一杯で、気がついたら会話が終わっている。自分ももっと喋れればと思うけれど、でも「このテンポのよさを壊したくないな」とも思ってしまう。だって、私は話をする速度が普通の人の0.8倍速だし、滑舌悪くてウィスパーボイスなので、おそらくノイズみたいになってしまうからだ。多分、テキストで話しているほうが速度が速い。私だけ、電光掲示板持ち込みでステージトークしようかしら……。

個性があふれまくる、えも&なつぴのツイートから見えてくること

 Twitter上での二人と、実際に会う彼女たちは少しだけ、違う。だけど、Twitterで知ることができる彼女たちも大好きだ。

 なつぴちゃんは、いつもちょっと“強め”なツイートをする。

 物議を醸すようなツイート、自分の気持ちを吐き出したツイートなども多いが、どんなツイートも「なるほどな」と思ったり、共感できたりする部分がある自分の胸の内を代弁してもらったかのような、そんな気持ちになる。

 劣等感と学歴厨のツイートには特に共感した。

 私はなつぴちゃんほどの学歴はないが、本当に誇れるものは名大卒ということ以外、何にもない。学歴に縋(すが)って就職し、学歴に縋って周りからの信頼と友情を手に入れて生活している。これがなかったら今ごろ、のたれ死んでいると思う。

「東大を卒業して歌もトークもうまいなつぴちゃんでさえも、こういう感情になるのか」と、少し救われた気持ちになる。そして、やっぱりツイートの言葉選びが強くて、こういうところが好きだなって思いながら、ふふっと笑ってしまう。

 えもちゃんは、“ここぞ”というツイートをする印象がある。

 わずか2行で誰にでも面白さが伝わってしまうツイート。さすが、万バズ(※)の神様は違うなと思っている。

(※ 万バズ:指標はさまざまだが、主にひとつの投稿に対する「いいね」の数が1万を超える人気ツイートを指す)

 特に私は「SABONの匙で粥を食う女」のツイートがお気に入りだ。

 コスメブランド『SABON』のボディスクラブ用のスプーンでお粥を食べてしまった、えもちゃん。私が書くとこんなに長くなってしまうのだけど、「匙」とか「粥」とか端的な言葉だけで面白おかしく表現できる語彙力を持っているのがすごい。でもそれ以前に、やっぱりそのスプーンで食べる発想に至ったえもちゃんの奇才ぶりが好きである。えもちゃんの思考は私が知らない世界、触れたこともない世界に連れていってくれる。