「やりたいことを求めてさまよっていたら、学歴の暴力とパン屋に」

 最後に、おまけ程度に私のことも書けたらなと思う。

 私はアイデアを出すのも好きなのだが、基本的に誰かが考えたことを実現する、現実に起こしていく、という作業のほうが好きだ。でも、言われたことだけをやっているのは苦手。だから、こうやってアイデア力も段取り力もある2人のもとで、作業しながらラフに意見を言えるのは、願ってもない状況だ。

 パン屋への就職もそんな視点で選んだのかなと思う。小学生のころから、母とショッピングモールに行った際には、必ずパンを買っていた。父たちへのお土産と言いつつ、帰りの車で全部ひと口ずつ食べて、「美味しい、楽しかった」と感じる時間が大好きだった。

 今は、その思い出のパン屋のバックオフィスで働いている。大切な思い出を作ってくれたパン屋の社長は、「職人の労働環境の改善に力を入れ、食品業界でのIT活用を進めていく」と語っていた。大学でIT活用について研究していた私は、この会社で社長の理念を実現させていくことこそが天職だと思った。

 常に、自分がやりたいことを求めてさまよっていたら、いつの間にか学歴の暴力とパン屋にたどり着いてしまった。私には段取り力も面白いトーク力もないが、こうやって自分の求める場所につけたのだから、運だけはあるのだと思う。

 あと、なんの計画もなしに飛び込めることだけは、唯一誇れるところかなと思う「人生、明日死ぬかもしれないのだから、面白いことをやっている日が多いほうがいい」と今のところは思っている。とはいえ、この考え方もあと数年したら、「なんて甘い思考だったんだ」と思う日がやってきて、何か後悔したり、新しい考え方に巡りあったりするのかもしれないが、今のところは刹那主義的に生きていければと思う

自身の半生に思いをはせ、膨らみすぎた自家製パンの生地を見つめるあずきあず

(文/「学歴の暴力」あずきあず)

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