子どものころ人気だったクイズ番組、軒並み「見ていて怖かった」

 昔よく見ていたクイズ番組の話をしようかな。まず、視聴者参加型の「アップダウンクイズ」(毎日放送制作/TBS系ほか)。回答者がちっちゃい正方形の、追い炊きできる浴槽みたいなゴンドラに入り、正解するごとに上にあがっていくやつ。子ども心に落ちやしないかと、見ていて怖かった。確か10問正解すると、移動式階段が出てきてビートルズみたいに降りてくるんだよね。

 1分間に12問、5秒ごとに次々と出てくるクイズの正解数を競う「クイズタイムショック」(テレビ朝日系)も5秒中、問題の読み上げに4秒使ってて「答える時間ないだろ」ってツッコんだり、「今、(12問中)何問目?」っていうサービス問題がそろそろ出るとわかっていたのに、実際出ると「なんで今なんだよ!」ってテレビの前であたふたしたりしちゃうんだよね。正解数が3問以下だと椅子がクルクル回りながら落ちるんだけど、「信用して大丈夫? 壊れない?」って、見ていて怖かった。なんか怖いイメージが多いな。

 あと、番組名は忘れちゃったけど、間違えるとすべり台が上がって、みんな手足をプルプルさせながら落ちないように抵抗するシーンがあったんだけど、そのすべり台の角度のえげつなさが見ていて怖かったな

 出場者がクイズに正解するであろう人物に自分の持ち点を賭けて得点を増やしていく「クイズダービー」(TBS系)は子どものころ、オッズの意味もわからなかったし、司会者の「倍率ドン! さらに倍!!」のかけ声で数字が目まぐるしく動いて、よく理解できてなかったかな。解答者の中に正解率が高い「はらたいら」という漫画家がいて、「はらたいらさんに3000点」っていうコールが流行(はや)ったが、例えば「赤の服が似合うはらたいらさんに3000点」とか、あからさまなお世辞を言ってから賭けてる人を見て、必死だなって見ていて怖かった

 4人の解答者が4色のパネルを取りあう「パネルクイズ アタック25」(テレビ朝日系)を白黒テレビで見てどうすんだ、なんてギャグを昔よく聞いたけど、本当にいたんだよね。「うちは貧乏だからすき焼きの肉がソーセージだった」って話も、うそだと思うかもしれないけど、結構そんな家庭あったからね。壊れるまでカラーテレビに買い替えない家があって、何も言わずアタック25を見ているさまが、見ていて怖かった。オセロのようにパネルを何枚取ったかなんてどうでもいい、純粋にクイズだけを楽しんでいたのだろうね