フムフムな発見4:ジワジワときて、肌の潤いを奪うUVA

「UVCやUVBに比べると、UVAは波長が長い(=波のかたちが緩やかだからエネルギーも弱い)んですが、そのぶんジワジワくるというか、肌の奥まで入り込む性質があるんです。

 皮膚のいちばん外側にある表皮を“角層”と言います。頭皮の角層はフケになり、皮膚の角層は垢(あか)になって剥がれ落ちます。角層の奥に“顆粒層”があり、さらにその奥に“有棘層(ゆうきょくそう)”があり、さらに“基底層”とあって、まるで地層のように皮膚も4層に分かれているのですが、いちばん奥に“真皮(しんぴ)”と呼ばれる組織があります。真皮はほとんどがコラーゲンでできています」

皮膚の構造:コーセー提供

「UVAは皮膚の奥にある、この真皮にまで入り込むんです。波長が長くなるほど、肌の奥まで届くと言ったほうがいいのかもしれません。

 真皮には、コラーゲンのように肌のハリや弾力をつかさどる成分があるので、UVAが真皮にまで入り込んで蓄積すると、その成分を変形させて肌のハリや弾力を保てなくしてしまいます。急激な変化をもたらすわけではなく、ゆっくりと時間をかけて、気がついたときには肌のたるみやシワの原因になっているケースがほとんどです。これがいわゆる“光老化”と呼ばれる現象です

──たるみやシワが出るのは半年後とか1年後くらいですか?

「いえ、症状が出てくるのはもっと長い時間がたってからですね。1年や2年ではわかりません」

──すると、若いころにUVケアを怠っていた人は、高齢になったときに“光老化”が表れる?

「そうなんです。お年を召されると、顔のシミが目立ったり、肌が乾燥して同年代の人よりシワが深くなったりする方がおられますが、すべてではないにしろ、UVAは原因の1つと考えられています」

──地表に降り注ぐ紫外線のうち約9割がUVAなら、UVBは1割程度しかないことになりますが、UVBも注意が必要なのでしょうか?

「はい。地表に届く量が少なくても、UVBは肌への作用が強いんです」