フムフムな発見5:UVBは紫外線全体のたった1割、だけど破壊力が強い

「UVBはエネルギーが強いので、短時間浴びるだけで肌に炎症が起きます。顔や胸元、腕など、露出したところが直射日光を浴びると、肌が赤くなったりヒリヒリしたりすることがありますよね。紫外線による軽いやけどが起きているわけですが、これを“サンバーン”と言います。症状がひどくなると水膨れを起こしたりすることもあります。それが過ぎると数日で肌が黒くなりますが、それを“サンタン”と言います」

──UVAは肌の奥まで入り込んで、じわじわと肌の潤いをなくすような悪さをして、UVBは短時間のあいだに肌にダメージを与える?

「そのとおりです。でも、人間の身体というのはとても不思議で、何もしなくても紫外線対策ができるようにできているんですよ。

 紫外線を浴びると、私たちの身体は体内に“メラニン”という成分を生成するように指令を出します。メラニンには、身体の中に入ってくる紫外線を吸収して皮膚を守る働きがあるんです。日焼けすると肌が黒くなるのは、紫外線を吸収したメラニンが細胞に沈着しているからなんです。

 夏にこんがり焼けても、数日で皮がむけたり、秋や冬になると肌の色がまた元どおりになるのはメラニンが役割を終えて排出されるからなんですが、日焼けの季節を過ぎても身体がメラニンを生成する指令を出し続けていたり、うまく排出されず肌の中に残ると、残念なことにシミの原因になるんです」

──メラニンだけに頼るわけにはいかない。だから日焼け対策が必要になるわけですね。

「はい。UVBはシワやシミの原因になるだけでなく、皮膚細胞のDNAを破壊するなど、遺伝子レベルで影響を及ぼすことがあり、これが皮膚がんの原因になることもあるので、地表に降り注ぐ量が少ないからと言ってダメージケアをおろそかにすることはできないんです」

──人間にはもともと紫外線を防御する力が備わっているけど、さらにしっかりしたケアをしたほうがより安心ということですね。

「肌のダメージを極力抑えるという意味では、ぜひともUVケアをしていただきたいですね」

雪肌精 クリアウェルネス UV ディフェンス ジェル:UVケア商品には、ミルクタイプ、ジェルタイプ、スプレータイプとあるので、用途によって使い分けるといいとのこと
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 DNAを破壊するなんて……。紫外線を甘く見てはいけないことがよくわかりました。次回は正しいUVケアのやり方を引き続きコーセー研究所の後藤祐一郎さんに伺います。海よりも紫外線が強い場所があるらしいので、肌が弱い方は必見ですよ。意外な場所が、危ないのだそうです。

◎第3回:【紫外線#3】知らなかった人は要注意!海水浴場に負けないくらい夏山は紫外線が強い!!(8月14日13時公開予定)

(取材・文/志谷恭作)