とにかくポジティブ! 幾度も逆境を跳ねのけモデルの道へ

 とはいえ私、もともとは体育会系で、小学校ではキックベースボールでキャプテンを務め、男子と対戦していました。中高は陸上、社会人ではクラブリーグのバスケに関わり、ひたすらスポーツに励んでいました。バスケは、「なぜ学生のときにやらなかったんだろう」と後悔するほど楽しかったです。短距離的な要素、長距離的な要素、ジャンプと、運動機能がひと通り学べることも役に立ちました。

 中学では、陸上部の前に演劇部に入ったのですが、いじめられていたんです。でも、自分では気がつがなかったんですよね。腹筋の最中におなかにバッグをぶつけられたりしても、「期待されているのね」と問題にもしない。根がポジティブなんです。一度、私だけ「校庭を笑顔で走れ」と命じられたことがありました。演劇の稽古に必要なんだと思って、ほほえみながら走っていたら、みんなは上から見て笑っていたらしくて。

 でも、笑顔で疾走している私を見た陸上部の人から、「なんて楽しそうに猛スピードで走っているんだ」とスカウトされて、入部することにしたんです。800メートルや3000メートルなどの中長距離を走っていましたが、ペース配分が難しく苦しすぎて、ほかにやる人がいないんですね。「誰も選手がいないから」と選んだらハマってしまいました。持久力が培われたかと思います。

 高校2年以降はケガに悩まされ、陸上は続けられなかったのですが、中学3年生のころから、すでに「モデルになりたい」という気持ちが強くて、モデル事務所に何十回も書類を送っていました。不採用続きで、ついには「写真写りが悪いだけなので、実物を見てください!」と直談判に行ったところ、面接してくださった方が社長さん。面接には落ちたものの、「また遊びにきていいよ」と声をかけてくださったことを真に受けて通い続け、モデルオーディションのレッスン生に欠員が出たところで、ぎりぎり入れていたただくことができました。

 数か月ものあいだ、誰よりも早くレッスンに行っていた姿を社長が見て、「こんなに頑張った人は見たことがない」と評価していただき、「高校卒業までに芽が出なかったら、モデル事務所にいたという肩書きを武器に世間に出たらいいよ」と、思いやりのある条件で所属させていただけました。でも結局、卒業まで、モデルとして芽は出ませんでした。

 そのころ、父は「大学に行ってほしい」、私は「モデルをやっていきたい」と意見が合わず、ついには「モデルをやるんだったら、ひとりで暮らして世間とお金の厳しさを経験しなさい。たまに仕事をして、家でぶらぶらしてる大人をきょうだいに見せたくない」と言われ、一流モデルになるまで帰らないことを条件に家を出ました。

努力は苦にならない。資格やさまざまな勉強への意欲大

 その際、「新聞を読んで社会の動向を知ること」「自分がワクワクできて、今後の役に立つような資格をとること」の2点を父と約束したんです。言われたとおり、資格をたくさん取りました。若くて常識を心得ていると社長秘書になれる、と思い秘書検定、言葉を知っていると便利かも、と漢字検定、ちょっとでも雑誌にたずさわれる仕事ができたら、とマスコミ校正などなど、モデルで独り立ちできなかったことを考えて、実用的な資格を中心に勉強していました。今は「芸能界での仕事に役立つような知識を得たい」と考え方は変わりましたが、資格を取ることにはますます積極的です。

 幼いころから、やると決めたら、なんでもひたすら努力します。

 例えば絵は、想像ではまったく描けないのですが、写生は得意。だから、きちんと勉強して描いていました。天才肌ではないので、成長できる過程が楽しく、努力が全然、苦にならない。常に目標がある日々を送ってきました。

 コロナ禍になってからは、家にいる時間が増えたので、この機会に新たな資格の勉強をすることに決め、「漢字検定」の準1級に挑戦。30年近く前に漢検2級をとってから、しばらくぶりに漢字を学び始めました。過去に勉強した漢字を全部おさらいして、大阪で仕事があれば、行きの新幹線では出演番組について頭に入れ、帰りは猛スピードで漢字を暗記していきます。

『シンデレラストーリー』魔法使い役のゴージャスな衣装がとてもお似合い!
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 常に前向きな精神で自身の道を切り開かれてきたアンミカさん。インタビュー第2弾では、ミュージカルの初舞台にかける意気込みや、生まれ故郷である韓国へ30歳間近で留学した際の思い出などを語っていただきます!

(取材・文/Miki D'Angelo Yamashita)


【PROFILE】
アンミカ ◎'93年にパリコレ初参加後、モデル業以外でも、テレビ、ラジオ、ドラマや映画、時には歌手として、様々な表現分野で活躍。野菜ソムリエ、漢方養生指導士中級、ベジフルビューティーアドバイザー、NARDアロマアドバイザー、化粧品検定一級、ジュエリーコーディネーター3級など20の資格を活かし、服やコスメ、ジュエリーなど商品プロデュースを展開。ポジティブな考え方、幸せな生き方を提唱すること講演会も人気で、幸せに関する本も多数出版。'22年も自身プロデュース【アンミカのポジティブ手帳2023】を9/29に発売予定。舞台出演は『シンデレラストーリー』が初となる。

【INFORMATION】
ミュージカル『シンデレラストーリー』
作:鴻上尚史、音楽:武部聡志、作詞:斉藤由貴、演出:ウォーリー木下
出演:加藤梨里香/水嶋 凛(Wキャスト)、大野拓郎、佐藤アツヒロ、アン ミカほか

《東京公演》9/6〜9/19 日本青年館ホール
《愛知公演》9/24〜9/25 東海市芸術劇場 大ホール
《福岡公演》10/1〜10/2 キャナルシティ劇場
《大阪公演》10/7〜10/10 梅田芸術劇場 メインホール
※公演詳細やチケット情報は公式サイトへ→https://www.cinderellastory2022.com/