『スケバン刑事III』で共演した風間三姉妹は「家族のような存在」
──さらに、第4位「Remember」(浅香唯、大西結花、中村由真による『風間三姉妹』名義)、第6位「STAR」、第7位「瞳にSTORM」、第9位「虹のDreamer」と、フジテレビ系テレビドラマ『スケバン刑事III』の主題歌が続き、やはり、テレビタイアップ曲はサブスクでも上位となっています。一度、風間三姉妹のコンサートを見学した際、観客が通常のアイドルファンというよりも、むしろ野球やプロレスファンに近いノリで驚きました。
「ほかのアイドルのファンの方を知らないのですが、確かに私のファンの方々は、“イェーイ!”ってノリがよくて熱いですね! だから、コロナ禍によってコンサートなどで騒げないのは、みなさん、すごいストレスみたいで……。
この楽曲たちも一緒にライブで歩んできているので、『スケバン刑事』を、というよりも、歌ってきたその時代、その時代を思い出す感じですね。ただ、『Remember』に関しては、スケジュールの関係で全員バラバラでレコーディングしたので、3人ともちょっと心残りなんです。
私たち3人は、仲がいい友達というより、家族のような存在なんです。しばらく連絡しなかったとしても、“連絡がないのは元気ってこと、何かあったら便りがあるはず”って思うくらい、信頼しています。だから、三姉妹コンサートは今後もできたらいいですね」
──これらの楽曲はいずれも'87年に発表されたのですが、この忙しい時期に歌唱力がメキメキと成長されているのもすごいですね!
「当時は忙しすぎて、ボイストレーニングの時間もありませんでした。今の若い方は、ある程度、歌もダンスもレッスンされてからデビューすると思うのですが、昭和のアイドルは、ほとんど“昨日、東京に来ました~。何もわかりませ~ん”という子たちを、周りが見守りながら育てていく、というスタイルで、私も歌いながら成長していった感じです。その成長が見えてきたのが偶然、この時期だったんじゃないかな? 10代後半って、いちばん伸びしろがありますからね」
配信先行曲が8位に!「早くライブでこの歌のコール&レスポンスをしたい」
──そして歴代のヒット曲と並んで、'20年の新しい曲「LIGHT A SHINE~月はずっと見ている」も第8位に入り、たくさん聴かれています。以前から配信していた楽曲ゆえ、多少リードしていた部分もありますが、ひっそりと配信先行でリリースされた楽曲が8位にランクインしているのは大健闘でしょう。これは、浅香さんには珍しいほど爽快なアッパーチューンですね。浅香さんを“SUNSHINE”、ファンの方を“MOONLIGHT”、その2つが重なって“∞DAYS”になる、という詞の表現が見事です。
「私もこの順位に驚きました! ファンの方が“ずっと見ていますよ”と言ってくれているような結果ですよね。
この曲は、歌詞も本当にすばらしくて。作詞・作曲・編曲をされたSUNNYさんは、Mr.Childrenのサポートメンバーもされているすごい方なんですが、私と同世代なので、アイドル・浅香唯も、今の私も知ってくださっていて。昭和のキラキラ感も出しつつ、それを歌うのは今の私、という絶妙なバランスで作ってくださいました。確かに、ここまで爽快な曲は珍しいかも。
ちょうどコロナ禍の中で作っていただいたのですが、“いつか、この歌のコール&レスポンスをファンの方とできたらいいな”と思ってSUNNYさんにリクエストしたんですよ。それで、とても明るい曲になっています。
今後もライブでは絶対に歌っていきますし、その際には、中盤にある♪いつか、きっと~♪の部分でファンの方と掛け合いをしたいのですが、(声出し禁止のため)まだできていないんです。だから、早くこのコロナ禍が落ち着いて、みんなで大声が出せたらなと思います」
──30周年記念BOXに収録されていた第11位の「ありがとう」や第12位「Shake Love」も「LIGHT A SHINE」と同時期に配信されており、こちらは浅香さんご本人による作詞ですね。
「そうですね。思いの強いものは自分で書いていきたいですが、あまりに気持ちが大きすぎて、逆にうまく伝えられない側面もあるので、そういうときは第三者に書いてもらったほうがいいと思っています。だから、『LIGHT A SHINE』のときも、自分が楽曲に込めたいことをSUNNYさんに伝えたうえで、あとはノータッチなんです。私以外の方に書いていただいたアイドル時代の楽曲でも、いろんな作家さんと話をさせていただいて、私をわかってくださっているなと思える方に書いてもらっています。だから(誰名義であっても)、いつも私の思いはたくさん入っています!」
──浅香さんは、麻生圭子、湯川れい子、有川正沙子、吉元由美、三浦徳子など女性作詞家の方の作品が多いんですね。
「女性ならではの言葉のチョイスや表現の仕方が繊細でいいなぁと思ってお願いしたものが多いのでしょうね。もちろん、男性目線の作品もすてきだと思いますよ」
──第12位「Shake Love」の順位に驚かれたそうですね。
「30周年記念BOXに初収録されましたが、こんなマニアックな曲まで聴いてくださってうれしいです! これは、もともとライブ用にと1ハーフ(1コーラス+サビ繰り返し)だけ冗談っぽく作ったのですが、そのうちファンの方からも、“この歌を歌って!”という声を多くいただくようになって、フルサイズでレコーディングしたんです。その意味では、ファンの方々に育ててもらった曲ですね」
インタビュー中、随所に出てくるように、浅香は当時ヒットしたこと以上に、今でもライブで歌い続けていくことを有意義に感じているようだ。これは何より、自分の楽曲をわが子のようにずっと大切に育てている証拠だろう。
インタビュー第2弾では、ランキングをさらに掘り下げて、当時ヒットチャート圏外だった楽曲や、アルバム収録曲に関する思い、さらには9月に実施するビルボードライブへの意気込みについても語ってもらう予定だ。どうぞお楽しみに!
(取材・文/人と音楽をつなげたい音楽マーケッター・臼井孝)
☆浅香唯、ビルボードライブに登場!
◎2022年9月3日(土)@大阪・Billboard Live OSAKA
1st ステージ OPEN 15:00 / START 16:00
2nd ステージ OPEN 18:00 / START 19:00
◎2022年9月11日(日)@神奈川・Billboard Live YOKOHAMA
1st ステージ OPEN 14:00 / START 15:00
2nd ステージ OPEN 17:00 / START 18:00
☆ママ・アーティストの音楽祭 ママホリ2022に出演!
◎2022年10月10日(月・祝)@東京・立川ステージガーデン
OPEN 15:00 /START 16:00 (~19:15予定)
出演アーティスト:相川七瀬、浅香唯、斉藤由貴、中村あゆみ、NOKKO、MAX
※公演詳細やチケット情報は公式HPへ→http://www.yui-asaka.com/index2.html