──そして、第29位にはシングル未収録のアルバム『HERSTORY』から「雨が雪に変わった夜に」がランクインしています!
「ミニアルバムですが、完成度が半端なくて、本当にいい作品なんです。全6曲でストーリーができあがっているので、6曲とも聴いてほしいですね。これは作詞家の麻生圭子さんが現場につきっきりで、レコーディングしながら歌詞を変更してもらった部分も。私が歌ってみると、想像とは違う感じになることもあり、その場で“唯ちゃんが歌うなら、こっちの言葉のほうがいいね”って、即座に変えてもらっていました。
『雨が雪に変わった夜に』は、あるライブで歌った直後に、本当に天候が雪に変わったんですよ!! 会場を出たら、雪が降ってきたのが鳥肌もので、(これが突出して人気なのは)ファンの方たちにも、その日の奇跡的な印象が残っているのかもしれませんね」
「GOAL」はファンとの絆を示す特別な曲。全体順位には、まったく不満なし!
──サブスクでは、アルバムのコンセプトとは関係なく、いいと思った曲だけをピックアップして聴く習慣があるのですが、浅香さんは、どうお考えでしょうか?
「実は、昔のアルバムは曲順も必死に考えて、スタッフさんと何度も話し合って、渾身の1枚を完成させていました。でも今の時代は、1曲1曲が独り立ちして聴かれますよね。昭和の時代を知っている私としては、正直“あれ? これでいいの?”と思うこともあるのですが、1曲ごとに自立しているという意味では、楽曲の魅力を感じ取っていただけるチャンスにもなるし、それもいいなと思っています」
──現在のディレクターさんからは、第34位の「GOAL」(アルバム『Rainbow』収録)も、浅香さんやファンの方がとても大事にされている曲だという情報をいただきました。これも、作詞:岩里祐穂、作曲:井上ヨシマサ、編曲:若草恵と、主演ドラマ『スケバン刑事III』時代('86〜'87年、フジテレビ系にて放送)のシングルになってもおかしくないエールソングですね。
「これは、('90年代半ばの活動休止から)復帰後のファンの集いで久しぶりにみなさんと再会したときに歌ったんです。私は、こんなにも温かい人たちに支えられ、これからもこうして“浅香唯”として、みなさんと一緒に歩んでいくんだなあって思いながら合唱していたら、泣けて泣けて。自分でも、“(泣いてばっかりいないで)もう少し歌えよ!”って思いました(笑)。それほどに、ファンの方たちとの絆を象徴する特別な曲なんです。
その後も、せっかくライブのセットリストに入れたのに感極まって歌えないっていう場面が続いたので、しばらく歌うのをやめていたのですが、最近のライブで、泣かないように何度も事前に練習して、バンドのメンバーにも“泣くなよ”って念押しされて(笑)、ようやく歌えました。油断をしたら、もうイントロを聴いただけで泣けちゃいますね」
──こうして振り返ってみましたが、「この曲がもっと上位だったらいいのに!」とか「今後、この曲をもっと聴いてほしい!」という思いはありますか?
「全体の順位には、まったく不満はありません! それに、’20年の新曲で、配信先行のシングル『LIGHT A SHINE〜月はずっと見ている』が8位というだけでも、十分うれしいです! 私には、配信でおとなしく出ていた印象があって、それこそ“すごくいい曲だから、たくさんの人に聴いてほしい! これからライブで歌っていかなくちゃ”と思っていたところなので。
そのほかも、自分でも順番がホントつけられなくて、ここにランクインしていない曲も含め、好きな曲ばかりなんです。アイドルポップスからロック、コミカル路線といろんな楽曲があり、いろんな歌い方をしてきたので、みなさんにはその中から自由に、お気に入りのものを見つけてもらえたらと思っています」