丁寧に花を生けるようになりました

──デビュー以来、常に輝き続けている吉高さん。すごいスケジュールが今後も続きますけれど、16歳から女優を続けてきて34歳になられた今、改めて思うことは?

デビューした頃は18年も続くと思わなかったから、“こんなはずじゃなかった”っていう今になっています(笑)。ある時期から自分のペースがあるんだなって思ったんですよね。『花子とアン』のあとに少し休んで仕事を再開してからは、仕事を詰め込むのをやめて、ちゃんと紡いだあとに見つけたもので作品にとりかかるようになったんです。スタッフとチームで答え合わせのように紡いでから意見交換をしたりして。ひとつの作品に取り組む時間とか丁寧さの濃度が変わってきたのは、そのおかげかなというふうには思っています」

吉高由里子 撮影/矢島泰輔
吉高由里子 撮影/矢島泰輔

──最近、普段の暮らしで大切にしているのはどんなことですか?

「映画やドラマのクランクアップなどで、お花をいただく機会が多いんですけど。以前はそんなにお花に興味がなかったんです。それが最近は花瓶を買ったりして、丁寧に花を生けるようになりました。一本ずつ一輪挿しに生けたりして楽しんでいます。今までは水が腐るまで放置してしまうこともありましたけど(笑)、どうしたら花の寿命を伸ばせるかを考えたりしています。お母さんって、お花好きじゃないですか。だから、私も大人になったってことかなっていう感じがしている

──お花のある生活、いいですね。では、プライベートの一番のリラックスタイムは?

アラームをかけないで眠れる休日。明日は朝起きなくていいって思うと、安心できるんです。自分でも本当に休みが好きなんだなって思うんですけど。今年は夏休みをもらって旅行に行ってリフレッシュしたので、それで自分を軌道修正して。今は仕事を頑張るぞ!って感じです(笑)」

──今回、8年ぶりに取材させていただきましたが、正直で自由な人柄が変わられていなくてほっとしました。

「(笑)。私はもうちょっと大人になっているかと思っていたけど、人って成長しないのかなって思うくらい変わらないですよね」

──よく取材をさせていただいていた10代~20代前半の頃と今の自分で、変わった部分は何かありますか?

ずっとヘラヘラしているんですけど、まだ10代の頃のほうが頑固さとか、尖っている貫いている自分がいたなって思います。今はそれがそぎ落とされて、ただのふざけたおばさんになっている気がする(笑)

吉高由里子 撮影/矢島泰輔
吉高由里子 撮影/矢島泰輔

──(笑)。では、美しくあるために気をつけていることは?

美しくあるために……。特別に気をつけていることはないですよ

──女優は美しくあらねばならぬとは考えない?

外見よりも、私は内面の人柄がきれいな人のほうに惹かれるんですよね。自分もそうありたいなって思います

(取材・文/井ノ口裕子)

《PROFILE》
よしたか・ゆりこ 1988年7月22日、東京都出身。2006年、映画『紀子の食卓』でスクリーンデビューし、「第28回ヨコハマ映画祭」最優秀新人賞受賞。2008年に映画『蛇にピアス』で主演を務め、「第32回日本アカデミー賞」新人俳優賞と「第51回ブルーリボン賞」新人賞をダブル受賞。デビュー以来、ドラマや映画で活躍し主演作は多数。2014年にはNHK連続テレビ小説『花子とアン』に主演し、ヒロイン・村岡花子を好演。同年『第65回NHK紅白歌合戦』の紅組司会を務めた。舞台作品は、2015年『大逆走』、2016年『レディエント・バーミン』に出演。今後の予定は、2023年1月スタートのドラマ『星降る夜に』(テレビ朝日)主演。2024年のNHK大河ドラマ『光る君へ』で主演・紫式部/まひろ役を務める。

●公演情報
M&Oplays プロデュース『クランク・イン!』

作・演出:岩松了
出演:眞島秀和、吉高由里子、伊勢志摩、富山えり子、石橋穂乃香、秋山菜津子
日程・会場:
【東京】2022年10月7日(金)~30(日) 本多劇場
【静岡】2022年11月2日(水)~3日(木・祝) 三島市民文化会館 大ホール
【大阪】2022年11月11日(金)~13日(日) 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
【名古屋】2022年11月19日(土)~20日(日) ウインクあいち 大ホール

公式サイト:http://mo-plays.com/crank-in/
ヘアメイク:RYO スタイリスト:藤本大輔(tas)
​【吉高】衣装協力:Y.M.Walts(MARVIN&SONS/Tel.03-6276-9433) CHARLOTTE CHESNAIS(EDSTROM OFFICE/Tel.03-6427-5901) DIANA(ダイアナ 銀座本店/Tel.03-3573-4005)