多くのビジネス層に認知されはじめた、ヒマナイヌスタジオ大手町

絶滅メディア博物館に併設されている、『ヒマナイヌスタジオ大手町』。誰でも簡単に対談撮影ができるスタジオで、これまでにジャーナリストの田原総一朗さん、元東京都知事の猪瀬直樹さんら、これまでに多くの利用者がいる 撮影/山田智絵

──すごい本格的なスタジオですね! いつからこのスタジオはやっているんですか?

「初めてスタジオを作ったのは2016年で、その前は出張配信ユニット「LiveNinja」というのをやっていました。記者会見や新商品発表会などを、ライブ配信して……というのを、だいたい年間200本くらいやってました

 ただ、出張配信って大勢のスタッフがいて、たくさんのカメラや機器があって、設営もすごく大変。それで、“もう普通に常設しちゃった方がよくない?”って思って、神田にスタジオを構えました。その後2021年に今の場所に移転して、今の『ヒマナイヌスタジオ大手町』に至ります。せっかくなんで座ってみます?(笑)

──いいんですか! じゃあちょっと失礼します……。

内心めっちゃテンション上がっている筆者 撮影/山田智絵

これは5台のフルサイズ一眼レフが自動スイッチングで切り替わって、出演者だけで対談を収録・配信できる世界初のシステムなんです。内容によって自動でも手動でも自由自在にテレビ品質の動画を作れます。実際に最近はテレビの対談番組もここで収録してるんですよ

マルチカメラの画面レイアウトやタイトル合成といった操作をiPadのタッチ操作で簡単に行える 撮影/山田智絵

──スタジオを対談形式にしたのは理由があるんですか?

「テレビでよく見る横並びのバラエティ型スタジオってあるじゃないですか?自分もああいう現場をよく撮影してたんですけど、人同士が対面して喋るのと、ディレクターの指示を見ながら話すのとで、演者の緊張感や白熱度がまったく変わってくるんです。ひな壇で横並びだと、進行ディレクターやカメラのタリーランプ(※)を見ながら話さなければいけないけど、対談式であれば相手を見て話せるんですよ」

※タリ―ランプ:テレビカメラやモニタ等に取り付けられた赤や緑の表示灯

──そうなんだ......。今こうやって喋ってますが、さっきより話しやすい気がしています(笑)。

「テンション上がるでしょ?(笑)。やっぱり自分でスタジオをやる以上は、利用する人には気持ちよく利用してもらいたいし、そのために邪魔なものはすべて排除したかったんです。一般の方が利用するときも、最初は緊張してモジモジしていても、配信しているうちに自然と白熱していくんですよね。それを別室から見ながら“しめしめ”と感じています(笑)」

──なるほど(笑)。利用する人はどんな人が多いんですか?

「YouTubeチャンネルの配信や動画撮影からテレビ番組の収録など、ビジネス層にもだんだんこのスタジオが認知されてきた感はありますね。手ぶらで来て座ったらすぐに配信・収録できるので、ジャーナリストや政治家の人などによくご利用いただいています」