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人物

鉄道フォトジャーナリスト・櫻井寛さん、マニアも唸るお宝グッズの数々を入手するまでのエピソードが胸熱!

SNSでの感想
ご本人の事務所に置かれた数々の鉄道模型を前に、笑みを浮かべる櫻井寛さん  撮影/齋藤周造
目次
  • “究極の鉄道”での思い出のティーカップと、スイスの高機能なおしゃれ時計
  • オリエント急行のスタッフがくれた粋なネクタイピン、大好きな蒸気機関車の模型
  • 大人気のデザイナー・水戸岡鋭治さんからの、感謝の気持ちがつまった贈り物

 鉄道フォトジャーナリストであり、鉄道ファンにとって、“神”的な存在である櫻井寛(さくらい・かん)さん。インタビュー第1弾では、鉄道に魅せられた幼少期から、さまざまな経験をへてフォトジャーナリストとして独立し、第一線で輝くようになるまでの半生を伺いました(記事→乗り鉄×撮り鉄のフォトジャーナリスト櫻井寛さん、濃厚すぎる“鉄道に魅せられ続けた人生”と“撮りがいのある国々”)。

 第2弾では、櫻井さん自慢のお宝鉄道グッズ5選と、それにまつわるエピソードをご紹介いただきます。入手した国もすべて別々にし、よ〜く悩んで選んでいただきました!

◇   ◇   ◇

“究極の鉄道”での思い出のティーカップと、スイスの高機能なおしゃれ時計

──まず第5位は、シベリア鉄道の食堂車で使われていたロシアンティーカップです。

世界最長の列車に乗り続けたときの悲喜こもごもが込められたカップです。シベリア鉄道には2回乗っているんですけど、最初に乗ったのが1993年10月なんですよね。ソ連からロシアになって、シベリア鉄道が全線乗れるようになったのが'92年。その年にウラジオストクが開港しましたが、軍港だから、それまで外国人は一切入れなかったんです。 ようやく、'93年に富山港からアントニーナ号で出航、ウラジオストクに到着し、モスクワまでの6泊7日、列車の旅をしました。それが、88日間で世界を一周した、船と鉄道とバスの旅の始まりです。

 このカップは、世界一周のあいだ、大事に持っていたんです。シベリア鉄道のロゴも入っているので記念になりますが、持ち手部分以下が“錫(すず)”でできているので、とにかく重たいんですよね。でも、ロシアのモニュメントなどが刻まれていて豪華。どうしても欲しかったので、顔なじみになった乗務員さんに譲ってほしいとお願いしました。たくさんある中からいちばんきれいなカップを選んでくれたので、チップを渡しましたよ。食事自体は粗末でしたが、なぜかカップだけ立派だったんです。毎日、このカップで紅茶を飲んでいました」

思い入れの深いロシアンティーカップ。櫻井さんの言うとおり、装飾が豪華でカッコいい!  撮影/齋藤周造

──シベリア鉄道の乗り心地はいかがでしたか?

シベリア鉄道は乗り鉄にとって、いろいろな意味で“究極の鉄道”なんです。 でも、鉄道好きの僕でも二度と乗りたくない。途中下車ができない軟禁状態ですからね。人間、1週間にわたって列車に乗っているだけだと、“今日、日本を出てから何日目だろう”と曜日の感覚もなくなる。なにしろ、寝ても起きても同じ風景。寝台車なので、寝たきりの人みたいな生活になっちゃうんですね。しかも、4人部屋で他人と同居ですから、気安く着替えだってできない。

シベリア鉄道の外観。鮮やかなブルー主体のボディがきれい 撮影/櫻井寛

 食堂車での食事は、来る日も来る日も同じメニュー。黒パンが、日に日に酸っぱくなってくるんですよ。危ない目には遭わなかったんですが、1回、“これ、買わないか”とカバンの中を見せられたことが。そこにピストルが入っていたんです。初めてピストルに触りました。

食堂車で出されたとある日のメニュー 撮影/櫻井寛

 ソビエト時代にも一度行っているのですが、そのときは写真なんか撮るどころではなかった。2度目はエリツィン大統領の時代になって開かれたころだったんです。何を撮っても自由になっていて、乗り鉄・撮り鉄にはいい時代でした。けれども、今のプーチン政権下では、もう二度とシベリア鉄道に乗れないだろうなぁ。ウクライナ戦争がおさまっても、しばらくは以前のようには戻らないでしょうしね

──第4位は『スイス国鉄オフィシャルウォッチ』を代表とするスイスの時計ブランド・MONDAINE(モンディーン)がつくった『スイス レイルウェイ ステーションクロック』の腕時計です。櫻井さんは、いつもこの時計を身につけていらっしゃいますね。

櫻井さんの大のお気に入りであるこの腕時計には、どんな思い出が・・・? 撮影/齋藤周造

「モンディーンの腕時計のなかでも、『stop2go(ストップ・トゥ・ゴー)』と名前がついている、スイス鉄道を象徴する時計です。スイスでは3000か所の駅に設置されている大きな丸い時計『ステーションクロック』がありますが、これもモンディーン社製です。

こちらがスイスではなじみの深い『ステーションロック』 撮影/櫻井寛

 止まったり遅れたりして鉄道の時刻表と誤差がでないように、60秒ごとに再調整していて、この調整を行うため、赤い秒針が58秒で1周し、12時の位置で、分針が進むまで2秒間、停止します。停止することで遅れている時計の時刻を再調整し、すべての駅の時計が一斉にスタートできるようになっています。そのステーションクロックを腕時計にしたものなのですが、搭載されている複雑な機構を腕時計のクォーツムーブメントに落とし込むのに、4年かかっているとのこと。

 通常のクォーツ時計の時針、分針、秒針を動かすためにはモーターが1つ必要ですが、stop2goには、2つのモーターが必要です。1つはこの独特な動きをする秒針を動かすためのモーター、もう1つは、時分針を動かすモーターです。これを実現するために、集積回路が2つのモーターを別々に認識しています。スイスらしい精巧さですね。ベルトなどがモデルチェンジされるので、スイスに行くたびに買ってしまいますが、stop2goは、なかでもいちばん高いモデルです」

各グッズの魅力を、とても生き生きと語ってくれた  撮影/齋藤周造
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