売れたバンドマンは、まじめで忍耐強かった!

──石塚さんから見て、昔と今のバンドの違いは感じますか?

そりゃあね、昔は圧倒的にオーラが違うような人がいっぱいいましたよ! 僕はバンドで1995年にメジャーデビューしているんですけれど、フラワーカンパニーズやTHEE MICHELLE GUN ELEPHANT(ミッシェル・ガン・エレファント、2003年に解散した伝説のロックバンド)とほぼ同期なんですよ。フラカンも好きだし、ミッシェルはメンバーもシャイでいい人でした。やっぱり売れた人は、まじめで忍耐強かったですね。外から見るとむちゃくちゃそうに見える人でも(笑)、ちゃんとバンド内で話し合ったり、コミュニケーションをきちんと取れる人が多かったですね

──そうなんですね。ミュージシャンの私生活は破天荒なイメージがありますからね。

80年代のミュージシャンは、どれだけ無茶苦茶したかとか、誰がどういう伝説を作ったかみたいなのが武勇伝だった時代であったと思うんですけど……(苦笑)。今の人たちは“そんなことをしたらいけないっていう風潮。今はまじめにコツコツと音楽をやっている子が残っている気がする。でも僕はステージで無茶するやつが面白いって思っちゃうタイプなんだけれどね(笑)」

バンドではドラム担当の石塚さん。とても明るく気さくな方でした! 撮影/伊藤和幸

ライブハウスで生の人間を観ることの面白さ

──私もライブハウスならではの、生身の人間のすごさが観たくて足を運んでいたのもあります。

社長(はたのさん)も言っていたけれど、やっぱりね、生の人間を観るっていうのは絶対に面白い! 僕も同感です。それと別ですが昔は、ライブ後の打ち上げは絶対でしたね。ベタな話だけれど、打ち上げって男性からすると、女の子と出会える場所だったりするからね(笑)。ラママの近くにはバンドマン御用達の居酒屋もいっぱいある。仲間内で30人か40人で飲むと、ちょっと場が荒れたり問題が起きたりするときもあるけど(笑)、人間っぽくて。それはそれで楽しかったんですよね」

──そういう文化も含めて、ライブハウスっぽいですよね。

「でも今は打ち上げもなくなりつつありますけどね……。って、なんの話だったけ?(笑)」

──(笑)。震災やコロナ禍など、何度もライブハウスは継続の危機に瀕していますが、それでも音楽活動やライブハウスのスタッフを続けてこられたのには理由はありますか?

「単純にね、楽しいですよね。僕もいろいろと他の仕事も経験してきましたけど、ライブハウスの仕事は別格だったよね。ライブハウスって、楽しさを求めていく場所。みんなが笑ったりするのが見れたり、ライブが終わってお客さんから“よかった”と言われたり、現場の空気がいいんですよ。だからずっと働きたいって思う。ライブハウスに来てくれた人から、“楽しかった”っていう言葉が聞けると、すごくうれしいですね。それって、最高なことだと思います

アーティスト、ファン、スタッフみんなの想いを乗せて、ラママの歴史はこれからも続いていく 撮影/伊藤和幸

(取材・文/池守りぜね)

■渋谷La.mama
渋谷区道玄坂1-15-3 プリメーラ道玄坂B1

ホームページ:https://www.lamama.net/