次作は日本の活火山? 自然と防災や環境問題への意識につながれば

──今、改めてハワイのこういうことを描いてみたいと思うことはありますか?

 この2冊で描ききった感はあるのですが、ハワイに行ったことで、次はまた日本の山を描きたいと思っています。まだ具体的ではないですが、例えば日本の活火山のことを楽しく伝えながら、自ずと興味が湧いて、防災の心構えや環境保護の関心を高められるような漫画が描けたらいいなという思いは強くなりました。

──それはぜひ見てみたいです! 次作も楽しみにお待ちしていますね。

 次は11年後なんて言わないです(笑)。日本は火山と地震の国で、災害の脅威も年々高まっている中で、声高に“環境問題を考えよう”とか“災害に対する備えを”と言っても、あまり響かないし続かないんですよね。

 活火山はいつ噴火するのかという不安もありつつ、山がいかに恩恵をもたらしていて、実は人々の生活ともつながっているんだということを感じながら暮らすことができれば、それが自然に防災への意識にもなるし、この環境を守りたいという気持ちが芽生えてくると思うんです。ほかにも、日本全国まだ見ぬ山がたくさんあるので、どんな山と出合って、そこでどんな感情を抱くのか、私自身も楽しみです。

(取材・文/根津香菜子、編集/福アニー)

【Profile】
●鈴木ともこ
東京生まれ。漫画家・エッセイスト。著書に『山登りはじめました』シリーズ(KADOKAWA/メディアファクトリー)などがある。現在は家族で長野県松本市に暮らし、松本市観光大使も務めるほか、雑誌やウェブでの連載や、テレビやイベントなどで山の楽しさや魅力を発信している。

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