やっと見つけた、大切にしたい“おとことしての信条”

 最後に、ユースケさん自身の“おとこ”としての生き方の信条を聞いてみると、少し考えながらこう答えてくれた。

50歳を過ぎて、もっと達観しているだろうと思ったのに、“まだこんなんなの俺?”って思います。自分はまだまだ子どもだなぁと思ったまま、天に召されるんだと思います。もっと……いろんな意味で優秀なおとことして生まれたかったし、そういう生き方をしてきたかったです。この歳になって、自分がどれだけ愚かだったかがわかるんですよ。人に優しくなかったし、いつでも自分を最優先にして生きてきてしまったなと。

 だからここ3~4年は、思いやりというものを常に考える日々です。そういうことを気づかせてくれる人が身近に出てきてくれたというのもありますね。だから前よりは“ごめんね”とか、ちゃんと言えるようになってきましたよ

カメラを向けている間もずっと取材陣を笑わせ続けた 撮影/渡邉智裕

(取材・文/篠田冴)

《PROFILE》ユースケ・サンタマリア ◎大分県出身。1994年、ラテンロックバンドBINGO BONGOのボーカル&MCとしてデビュー。現在は俳優、司会者、タレントとして幅広く活躍している。主な出演作は、舞台『海王星』(2021)、『タンゴ・冬の終わりに』(2015)、『その族の名は「家族」』(2011)、映画『アキラとあきら』(2022)、『食べる女』(2018)、『あゝ、荒野』(2017)、『交渉人 真下正義』(2005)、ドラマ『モダンラブ・東京~さまざまな愛の形~』(2022・Amazon Prime Video)、大河ドラマ『麒麟がくる』(2020・NHK)、『テセウスの船』(2020・TBS)、『ドクターX~外科医・大門未知子~』(2019・テレビ朝日)、『わたし、定時で帰ります。』(2019・TBS)などがある。情報バラエティ番組『ナゼそこ?』(テレビ東京)のレギュラーMCも務める。

●公演情報
PARCO劇場開場50周年記念シリーズ
ミュージカル『おとこたち』

脚本・演出:岩井秀人 音楽:前野健太
出演:ユースケ・サンタマリア/藤井隆/吉原光夫/大原櫻子/川上友里/橋本さとし 他
◎東京公演:2023年3月12日〜4月2日@PARCO劇場
◎大阪公演:2023年4月8日~4月9日@森ノ宮ピロティホール
◎福岡公演:2023年4月15日~4月16日@キャナルシティ劇場

※公演詳細やチケット情報は公式サイトへ→ https://stage.parco.jp/program/otokotachi

ヘアメイク/池田真希 スタイリング/藤本大輔(tas) 衣裳協力/ATON(ATON AOYAMA/Tel.03-6427-6335)