皆川フェード

FM中西「そういや、スギモトは昔からいろんな作品見てきたよね。シーンの考察とかも好きなの?」

スギモト「好きっすね。作品ごとに同じようで違う描かれ方をしているので、その源流とかを知るとまた違う魅力があって、たまらないです」

FM中西「なんでそんなに好きなの? きっかけとかあった?」

スギモト「そうですね……あれは10年ほど前でしょうか。うだつの上がらない日々を過ごしていたとき、ひとつの作品に出合ったんです。季節は確か、春ごろでしたかね。薄暗い部屋で電気もつけないで」

急に過去の回想に入るスギモト(皆川フェード)

スギモト「それで……」

FM中西「その話気になるんだけど結構時間かかる?」

スギモト「2万光年くらいですかね」

FM中西「うん。単位も間違えてるし、また今度にしよっか」

皆川フェード
「皆川フェード」とは、『スプリガン』、『ARMS』などで知られる漫画家・皆川亮二の作品でたびたび見られる演出。アニメや実写映画などの作品で見られる“フェードアウトによる場面転換”をマンガで表現しており、主要シーンや顔をアップで残して透過し、次の場面と重ねる手法。過去の回想シーンなども表現でき、1コマ内でセリフや場面がつながったまま、違和感なく場面転換することが可能になる。

シャフ度

FM中西「あれ……もしかしてなんだけどさ」

スギモト「はい」

FM中西「さっきからちょいちょい演出っぽいことしてるのは、俺の悩みに実戦で答えてくれている感じ?」

スギモト「ですね。権利関係で画像はなかなか使えないので、僕が一肌脱いでやろうと思って」

FM中西「メタいね」

“シャフ度”で振り返るスギモト

FM中西「なに。“何でも知ってるな”って言ってほしそうな顔だけど」

スギモト「何でもは知……(以下略)」※『物語シリーズ』参照

シャフ度
「シャフ度」はアニメ制作会社・シャフトの作品でよく見られる構図で、「シャフト角度」の略。他にも、「シャフト角」「シャフ角」といった呼び方もある。顎を上げながら、背中を思いっきり反って挑発的に見つめる描写で、同社が制作した『物語シリーズ』『魔法少女まどか☆マギカ』『さよなら絶望先生』などではリアルに1話に1回くらいのペースで登場する。肌感だが、左後ろを向く描写が多い。ちなみに写真は、“シャフ度”として注目されるきっかけになった、戦場ヶ原ひたぎのシーンをイメージ。