1122
「1日1フム」生活。- フムフムニュース -
fumufumu news サイト休止のお知らせ
生き方

85歳の新人VTuber・ひろこさん。『メタばあちゃんプロジェクト』を立ち上げた孫へ「会社勤めをしてくれたら安心なんだけどねえ」

SNSでの感想
「バカ孫に勧められて……」と、Vtuber活動を始めた経緯を語るひろこさん ※画像はYouTubeより引用
目次
  • 「今がいちばん幸せ」と語るVTuberひろこ(85)さんはどんな人?
  • ひろこ(85)は「優しさの塊」のようなおばあちゃん
  • 秋元康さんの教えから生まれた、メタばあちゃんプロジェクト

 2022年12月初旬。「メタばあちゃん」と称されたプロジェクトの一環で、「ひろこ(85)」と名乗るVTuberが突如としてSNS上に現れた。Twitterに投稿されたのは、ピンク色の髪が印象的なかわいらしい女子高生アバターによる、1分の挨拶動画。その動画をチェックすると、ひろこさんの声はたしかに、どこか懐かしい地元の「おばあちゃん」という雰囲気である。

 日本では、ずいぶん前から少子高齢化が叫ばれている。内閣府『令和4年版高齢社会白書』によれば、2021年の高齢化率は28.9%、2025年には30%に達するとの予測値が出ているほど深刻な問題だ。人生100年時代ともいわれる中で、長くなる高齢期をどう過ごし、どのように社会を成り立たせていくのかは非常に大きな社会課題である。

 メタばあちゃんの活動には、このような社会課題について考えるヒントや、私たち自身が今後の人生をどう生きるかという問いに向き合うヒントがあるのではないか。そう思った筆者は、メタばあちゃんプロジェクトを運営するOTAGROUP株式会社 代表の下西竜二さんとひろこさんにオンライン取材を実施。活動開始のきっかけや活動にかける想い、高齢化が進む社会でテクノロジーをどう生かすかなど、多岐にわたるテーマでお話を伺った。本記事は、その第1弾。まずは、ひろこ(85)さんの活動への想いや、下西さんがメタばあちゃんプロジェクトを始めたきっかけについて迫っていく。

「今がいちばん幸せ」と語るVTuberひろこ(85)さんはどんな人?

──今日はありがとうございます。まずは、メタばあちゃんプロジェクト0期生として活動されている「ひろこ(85)」さんにお話を伺っていければと思います。ひろこさん、改めてメタばあちゃんプロジェクトの活動は楽しいですか?

ひろこ:だんだん面白くなってきましたけどね。最初は孫に何やら言われるままに活動を始めて、こんなに続くとは思っていなかったもんで。いろいろな人からお手紙とかコメントなんかをもらったりすると、面白いなと感じますね

──ひろこさんのアバターは、ピンク色のヘアカラーが印象的な、サイドポニーテールの女子高生。とてもかわいいですよね。アバターを初めて見たとき、どのように感じたのでしょうか。

ひろこ:ピンクの髪でかわいいなと。でも、本物と全然違って私も歳ですから。なかなか、かわいくは言葉が出んですよねえ(笑)。

──VTuberとしてお話されるとき、大切にしていることはありますか?

ひろこ:みなさんが聞いて、心に残るような、よかったなと思ってもらえるような話がしたいと思っています。

──ひろこさんのVTuberとしての活動がスタートしたとき、最初の自己紹介動画の中で「孫から“若いときに実現できんかったことを、メタばあちゃんとして実現していってくれ”と言われた」と語っていたのが印象的でした。ひろこさんは若いころ、どのように過ごしていたのでしょうか。

ひろこ1938年生まれの私らの年代は、今の若い人と違って、一生懸命働くことだけだったんですね。働くことと、子育てで精いっぱい。昼間もランチなんて行けないし、着飾ることもしないです。働きづめですよね。それこそ、私の実家は母親が早くに亡くなって、貧乏だったこともあって、生まれたときから背中に子どもを背負わされるような生活でしたから。苦労の連続じゃったですね。だから、孫たちと平和に穏やかに暮らせている今が、いちばん幸せですよね

──お孫さんと暮らす今がいちばん幸せ。このような情勢だからこそ、響くものがありますね……。ちなみに、活動をプロデュースしている下西竜二さんは、ひろこさんから見てどのようなお孫さんですか?

ひろこ:素直でいい子だけど、私には全然わからんような仕事をしとるのでね。ずっと家におって、パソコンやら携帯やらいじってるでしょう。本当にこれで食べていけるのかが、心配ですよね。この活動をやってくれと言われて、これで少しでも孫にお金が入るならという気持ちもあります。できたら会社勤めをしてくれたら、安心なんだけどねえ。

バリバリの後期高齢者でもあり、新人Vtuberでもあるひろこさん。長い人生から得た教訓が、視聴者の心をつかむ
読み込み中
LINE Twitter facebook hatena pocket copy