秋元康さんの教えから生まれた、メタばあちゃんプロジェクト
──そもそも、なぜ「メタばあちゃん」というユニークなプロジェクトを開始したのでしょうか。
下西:メタばあちゃんのアイデアにたどり着いたのは、クリエイティブプロデューサー育成塾の「みらい塾」(※) に通ったことが大きなきっかけでした。特に大きな影響を受けたのが、AKB48グループなど数々のアーティストを手がけられた秋元康先生の講義で、企画の考え方について「誰も行かない領域に挑戦すべき」という言葉をいただいたんです。
※みらい塾:芸能事務所「TopCoat」代表の渡邊万由美氏が主催する、一般財団法人渡辺記念育成財団のクリエイティブプロデューサー育成塾。
秋元先生の講義を受けてから、僕なら何ができるかをずっと考えていたのですが、あるときふっと思い浮かんだのが「おばあちゃん」というキーワードでした。「エンターテインメント×若い女性アイドル」はすでに群雄割拠の状態。でも、おばあちゃんは誰も行かない領域だろうなと思ったんですね。
──なるほど。そこから「メタバース」とのかけ合わせに至ったのは、どうしてだったのでしょう?
下西:「おばあちゃん」というキーワードで何かできないかを考えていたころ、僕の会社で広島県内の商店街をメタバース化するプロジェクトがあったんです。その中で、高齢者がメタバースで交流を図るというアイデアが出ていて、冗談でメタバースとおばあちゃんを組み合わせた「メタばあちゃん」なんて面白いかもねと話していました。そのときの語呂合わせがもとで、メタばあちゃんプロジェクトが誕生しました。
そのため、先ほど僕のおばあちゃんがインタビューの中で話していたとおり、最初は「ひろこ(85)」もサンプルボイスを収録するためだけの活動だったんですよ。
──それが、大きな反響を呼んだと。
下西:そうなんです。おばあちゃんが、かわいらしい女子高生のアバターで話しているのが面白いと、ありがたいことに非常に大きな反響をいただきました。まさかここまでバズる活動になるとは思っていなくて。僕自身も驚いていますね。
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第2弾では、下西さんがメタばあちゃんプロジェクトを通じて考えた「高齢者の生きがいづくり」や新メンバーオーディションの状況、これからの日本に必要なことなどを伺っていく。
(取材・文/市岡光子、編集/FM中西)