日本最大の早押しクイズ大会『abc』で三連覇し「古川メソッド」を確立

──その後、立命館大学に入学されて、日本最大の学生早押しクイズ大会『abc』で3連覇します。この連覇記録は今でも塗り替えられていません。クイズ好きが全国から集まる中、これはちょっとハンパじゃないな、と(笑)。

「立命館大学にはクイズ推薦で進学したので、大学からはクイズ漬けの毎日でしたね。1年生のときに決勝で負けて準優勝だったんですよ。それがすごく悔しくて猛練習しました。この時期が最もクイズのスキルが高まった時期でしたね

 その結果、3年連続で優勝できたんですが、個人戦で大会に出場しつつ“自分の攻略法を使えば、クイズに興味がない人が勝てるようになるか”という実験をしていたんですよ」

──なるほど、もうレベルが一段階上だったわけですね(笑)。どういう実験をしていたんでしょう。

「まったくクイズ経験がないけど“クイズやってみたいんだよね”という友達が数人いたんです。彼らに僕が取り組んできたクイズ攻略法を用いて一緒に練習してもらいました。すると1年ちょっとで『abc』の予選を抜け、同時に行われる団体戦では僕と一緒に優勝することができたんです」

──え、すごすぎる……。ということは古川さんの頭脳はもちろんですが、クイズ攻略のメソッドが秀でていた証明になるわけですね。

「そうですね。そこからプレイヤーではなく、コーチ側にも興味が出てきました。僕は大学在籍時から卒業後にかけて10人の弟子をとったんですが、10人中4人が日本チャンピオンになったので、僕の学習法は正しかったんだな、と思えましたね。

 その後インターネットが普及したり、僕が書籍で発表したりしたので、今はもうみんな普通に取り組んでいる攻略法なんですが、当時はごく一部しか意識していなかった。それが大きなアドバンテージだったんだと思います」

──"古川メソッド"を確立したわけですね。ここでも自分の能力を高めるというより「周りの成功」に重点を置いているのが素敵です。

「そう言われるとそうですね(笑)。やっぱりクイズを通して自分にメリットがあるというより“他人に喜んでほしい”という気持ちがずっと強かったんだと思います」